マレーシアのスーパーで缶詰食品を手に取ったことはありますか?Ayam Brandのサーディン缶、Eagle Coinのランチョンミート——こうした日常食品を製造・販売しているのが、マレーシアの上場企業 Able Global(エイブル・グローバル、証券コード:ABLEGLOB 7167) です。
2026年9月1日公表の最新決算分析で、同社の業績が急成長していることが明らかになり、マレーシア株式市場(ブルサ・マレーシア)で注目を集めています。
Able Global ってどんな会社?
Able Global は「缶詰食品製造」と「不動産開発」の2本柱で事業を展開する複合企業です。日本でいえば、明治ホールディングスが食品事業と不動産開発を同時に手がけているような業態——と想像するとイメージしやすいかもしれません。
食品一本槍ではなく、不動産という全く異なる事業軸を持つことで、景気循環のリスクを分散しているのが特徴です。
2026年Q2(4〜6月期)決算ハイライト
| 指標 | 2026年Q2実績 | 日本円換算(1RM≈39.7円) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 総売上高 | RM 222.1百万 | 約88億1,000万円 | +34.9% |
| 純利益 | RM 20.1百万 | 約7億9,800万円 | +11.8% |
| 缶詰製造部門売上 | RM 32.4百万 | 約12億8,600万円 | +54.3% |
| 食品・飲料部門売上 | RM 162.3百万 | 約64億4,300万円 | +15.3% |
| 不動産部門売上 | RM 27.3百万 | 約10億8,400万円 | 約10倍 |
※ 1RM ≈ 39.7円(2026年9月1日時点)
特筆すべきは 不動産部門が前年比約10倍 という驚異的な伸び。セランゴール州の「Kabu(カブ)プロジェクト」からの収益が主な押し上げ要因です。缶詰事業も54.3%増と力強く、両輪がそろって加速している決算と言えます。
投資指標を日本株と比べてみると
マレーシア株を検討する際に真っ先に気になるのが「割安かどうか」。日本の食品株と並べてみると、その差は一目瞭然です。
| 指標 | Able Global | 日本の食品大手(参考平均) |
|---|---|---|
| 株価(2026/9/1) | RM 1.56(約61.9円) | — |
| アナリスト目標株価 | RM 1.95(約77.4円) | — |
| 上昇余地 | +25% | — |
| P/E(株価収益率) | 6.0倍 | 20〜30倍程度 |
| 配当利回り | 5.5% | 1.5〜2.5%程度 |
| 2026年度予想EPS | 24.1セン | — |
P/E 6倍というのは、日本株の食品セクター平均(20〜30倍)と比べると 驚くほど割安 です。配当利回り5.5%は日本のメガバンク株(2〜3%台)や定期預金(0.5〜1%台)を大きく上回ります。
今回の推奨はマレーシア大手証券会社 Maybank Investment Bank(メイバンク投資銀行) による「Technical Buy(テクニカル買い推奨)」。テクニカル分析に基づく短期〜中期の買い推奨で、目標株価は RM 1.95(2026年度業績予想ベース)です。
なぜここまで割安なのか?
マレーシア株全体が日本株に比べて低PEで取引される背景には、こんな事情があります。
- 新興国市場のリスクプレミアム:為替リスク(リンギット安)、政治リスクが価格に織り込まれる
- 情報の非対称性:英語・中国語が主体で、日本人投資家には情報が届きにくい
- 流動性の低さ:日本市場と比べると売買高が少なく、大口投資家が動きにくい
ただし、現地に住む日本人にとっては、この「情報の非対称性」がアドバンテージになりえます。スーパーで実際に商品を目にし、生活の中でブランド力を肌で感じられる——これは海外から投資するファンドには真似できない視点です。
日本人向けメモ
- ブルサ・マレーシアへの投資方法:日本の証券会社から直接マレーシア株を購入できる口座は限られます。マレーシア現地で Maybank Securities、CIMB Securities などの証券口座を開設するのが最もスムーズです。パスポートと就労ビザ(EMや MM2Hビザ等)があれば開設可能なケースが多いです。
- 為替リスクに注意:RM建てで運用するため、円高になると円換算のリターンが目減りします。2026年9月1日時点の為替(1RM≈39.7円)は最新レートで確認してください。
- 「Technical Buy」の意味:テクニカル分析(チャート・出来高分析)に基づく推奨です。ファンダメンタルズ分析とは異なるため、長期投資の判断には追加リサーチが推奨されます。
- 投資は自己判断で:本記事はあくまで情報提供が目的です。株式投資にはリスクが伴います。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
缶詰という地味な日常品から始まり、不動産開発でも急成長を遂げているAble Global。マレーシアで暮らしている方が「地元企業の株式市場を少し覗いてみようかな」と思ったとき、今回のような情報が一つの入り口になれば嬉しいです。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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