マレーシアの株式市場で、ひとつの通信インフラ企業が今、大きな注目を集めています。OCKグループ(銘柄コード:0172)が2026年度の決算で過去最高益を記録し、証券会社が目標株価を大幅に引き上げました。
OCKグループとは?
OCKグループは、マレーシアのメインボード(東証でいう「プライム市場」相当)に上場する、通信・メディアセクターの企業です。もともと携帯電話基地局(通信塔)の建設・管理が主力でしたが、近年はデータセンター向けバックアップ電源やスマートシティ・AI活用のデジタルソリューションへと事業を急速に拡大しています。
日本でいえば、NTT鉄塔(インフラ管理)とNECのDX事業を合わせたような会社、とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。「塔の管理会社」から「デジタルインフラ総合プロバイダー」へ、大きな変革の途上にある企業です。
2026年度決算ハイライト
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| コア純利益 | RM5,200万(約20.6億円) |
| 前年比成長 | 2倍以上 |
| 予想比 | 市場予測を29%上回る |
| 売上成長率 | 前年比+13% |
利益が2倍になった主な要因は2つです。
- データセンター向けバックアップ電源事業の急成長 — AIブームに伴うデータセンター需要の爆発的増加が、安定した電力インフラへの需要を押し上げました。
- Solarpack Asia優先株からの配当収入 — RM950万(約3.8億円)の安定配当が利益を後押ししました。
株価と目標価格の比較
| 項目 | RM | 日本円換算(1RM≈39.7円) |
|---|---|---|
| 現在株価(9/1時点) | RM0.425 | 約16.9円 |
| 旧目標株価 | RM0.50 | 約19.9円 |
| 新目標株価 | RM0.55 | 約21.8円 |
| 現在株価からの上昇余地 | +29.4% | — |
証券会社の投資判断は「市場をアウトパフォーム(超過収益が期待される)」。日本株でいうところの「買い推奨」に相当します。
2027年度の見通し
業績の好調を受け、2027年度の予測数値も大きく上方修正されました。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 利益予測の引き上げ幅 | +31% |
| EPS(1株当たり利益) | 4.5セン |
| PER(株価収益率) | 9.7倍 |
| 配当利回り(2026年度予想) | 4.0% |
PER9.7倍というのは、東証プライム市場の平均PER(15〜20倍程度)と比べると割安感があります。さらに配当利回り4.0%は、日本の高配当株と比較しても遜色ない水準です。
なぜ今、OCKが注目されるのか
グローバルなAIインフラ需要の波は、マレーシアにも勢いよく押し寄せています。データセンターの建設ラッシュが続く中、安定した電力供給・冷却・ネットワーク接続を担うインフラ企業の価値が急速に高まっています。
OCKはこのトレンドをいち早く捉え、通信塔事業で培った「インフラ管理の知見」をデータセンターやスマートシティへ応用。マレーシア政府が推進するデジタル経済政策「マレーシア・デジタル」とも方向性が一致しており、政策追い風が期待できる銘柄のひとつです。
日本人向けメモ
マレーシア株式投資に興味がある方へ、いくつか知っておくべき点をまとめます。
- 取引所: マレーシア株は「バーサ・マレーシア(Bursa Malaysia)」で取引されます。日本の証券会社からの直接購入は難しく、現地証券口座(Rakuten Trade Malaysia、Maybank Investment Bank 等)が必要です。
- 通貨リスク: RM建て資産は円高が進むと目減りします。為替動向も投資判断に含めてください。
- 配当課税: 配当金には源泉徴収がかかる場合があります(日マレーシア租税条約により軽減の可能性あり)。
- 免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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