工業化学品メーカーEckem、ACE市場に上場計画

マネー・生活費

マレーシアで特殊工業化学品を手がけるEckem Holdings(エクケム・ホールディングス)が、マレーシア証券取引所のACE市場(創業板)への上場を計画していることが明らかになりました。同社は恵盈証券(ヒュイイン・セキュリティーズ)と引受契約を締結し、IPO(新規株式公開)に向けた手続きを進めています。

ACE市場って何?——日本のグロース市場に相当

ACE市場とは、マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)が運営する新興企業向けの株式市場です。日本で例えるなら、東京証券取引所のグロース市場(旧マザーズ)にあたります。成長余地のある中堅・ベンチャー企業が資金調達の場として活用するのが一般的で、IPO後に株価が急騰するケースも少なくありません。

マレーシア(Bursa Malaysia) 日本(東京証券取引所)
大型・本則市場 メイン市場 プライム市場・スタンダード市場
新興・成長企業向け ACE市場 グロース市場(旧マザーズ)
中小・スタートアップ LEAP市場 ——

今回のIPO概要——株式配分の内訳

EckemのIPOでは計1億2,500万株の新規株式が発行される予定です。内訳は以下の通りです。

対象 株数 内容
一般公募(マレーシア国民向け) 3,125万株 証券会社を通じた申し込み
ピンクフォーム(役員・従業員向け) 3,125万株 社内優先配分
ブミプトラ投資家向け私募 1,653万株 政府認定投資家限定
特定投資家向け私募 4,688万株 機関投資家など
合計(新規発行) 1億2,500万株

さらに既存株主からの6,250万株もブミプトラ投資家向けに配分される予定です。

「ブミプトラ枠」って何?——マレーシア独自の優遇制度

IPOの配分に登場する「ブミプトラ(Bumiputera)」という言葉、聞いたことがありますか?

ブミプトラとはマレー語で「土地の子」を意味し、マレー人や先住民族などマレーシアの先住・多数民族を指す公式呼称です。1970年代に導入された新経済政策(NEP)の一環として、ブミプトラ系国民の経済参加を促進するための優遇措置が今も続いています。

IPOでの株式配分のほか、不動産購入・教育奨学金・政府調達入札など幅広い分野で適用されており、マレーシアのビジネスや投資を理解する上で欠かせないキーワードです。日本には直接対応する制度はありませんが、強いて言えば「特定地域や属性を対象にした公的支援枠」に近いイメージです。

Eckemはどんな会社?

Eckem Holdingsは、工場・製造業向けの特殊工業化学品を扱う専門商社・メーカーです。マレーシアの製造業セクターを下支えするB2B(企業間取引)企業で、ニッチながら安定した需要が見込まれる分野を事業領域としています。電子部品・精密機器・半導体製造が盛んなマレーシアにおいて、工業化学品の安定供給は不可欠な役割を担っています。

日本人向けメモ

  • 外国人でもACE市場のIPOに参加できます。Bursa Malaysiaの証券口座を開設すれば、一般公募枠への申し込みが可能です(ブミプトラ枠は対象外)。
  • マレーシアの証券口座開設はCIMB、マイバンク(Maybank)、ホンリョン(Hong Leong)などの大手銀行系証券会社で手続き可能。在留外国人でもパスポートとビザで申し込めます。
  • IPO申し込みはATMまたはスマホアプリ(iCDC)から数分で完了するため、日本の公募申し込みよりシンプルな印象を受ける方も多いです。
  • ACE市場はメイン市場より流動性が低い場合があります。上場後の株価変動リスクは当然あるため、少額から試してみるのがおすすめです。

マレーシア株式市場に興味がある方にとって、今回のEckemのIPOは身近な入口になるかもしれませんね。

写真: Igor Rand / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました