マレーシアで働いている方なら、毎月の給与から自動的に差し引かれる「EPF」(従業員積立基金)のことはご存じですよね。でも、もしものときに備えて受取人(ベネフィシアリー)の登録はお済みですか?
実は、受取人の登録をしていないと、万が一のときに家族が積立金を受け取るまでに時間とお金が相当かかってしまいます。そして朗報なのが、以前は窓口まで足を運ぶ必要があった受取人登録が、スマートフォンだけで完結できるようになったこと。今回はその背景と手順をわかりやすくご説明します。
EPFとは?日本の年金制度と比べてみると
EPFは日本の「厚生年金」と「確定拠出年金(iDeCo・DC年金)」を合わせたような存在です。ただし日本の厚生年金が「賦課方式(現役世代が高齢者を支える)」なのに対し、EPFは積立方式——自分で積み立て、自分で受け取る仕組みです。
| 項目 | マレーシアのEPF | 日本の厚生年金 |
|---|---|---|
| 方式 | 積立型退職基金 | 賦課方式の公的年金 |
| 従業員拠出率 | 給与の11% | 給与の約9.15% |
| 雇用主拠出率 | 給与の12〜13% | 給与の約9.15% |
| 途中引き出し | 住宅・医療・教育等で可能 | 原則60〜65歳から |
| 受取人の指定 | 自分で指定(要登録) | 法律で相続順位が決まる |
大きな違いは「受取人指定」の仕組みです。日本の厚生年金は法律で遺族の受取順位が決まっていますが、EPFは自分で受取人と配分比率を指定する必要があります。登録がなければ、遺族は裁判所を通じた相続手続き(グランティー手続き)が必要になり、受け取りまで数ヶ月〜数年かかることも珍しくありません。
スマホでの登録手順(i-Akaun アプリ)
受取人の登録は、EPF公式アプリ「i-Akaun」から行います。App Store(iOS)またはGoogle Playで「i-Akaun」を検索してインストールしてください。
Step 1:ログイン
MyKad(ICカード)番号と登録済みのパスワードでログイン。初回はSMS認証が必要です。
Step 2:受取人メニューへ移動
ホーム画面から「Profile(プロフィール)」→「Beneficiary(受取人)」を選択します。
Step 3:受取人情報を入力
以下の情報を入力します。
| 入力項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | MyKad記載の正式名称 |
| IC番号 | 身分証明書の番号 |
| 続柄 | 配偶者・子・親・兄弟など |
| 配分比率 | 複数名の場合、合計100%になるよう設定 |
Step 4:OTP認証して完了
登録した電話番号にOTP(ワンタイムパスワード)が届くので入力して送信。これで登録完了です。所要時間は慣れれば5〜10分程度です。
日本人向けメモ
外国人(就労ビザ・PR保有者)も登録できる?
EPFは外国人の任意加入者も対象です。就労ビザやPRでEPFに加入している場合、受取人の登録も同様に行えます。受取人はマレーシア国内外の方を指定可能です。
日本の家族を受取人にしたい場合
日本在住のご両親や配偶者を受取人にしたいケースでは、MyKad(ICナンバー)の代わりにパスポート番号を使用します。詳しくはEPFカスタマーサービス(03-8922 6000、英語対応)または最寄りの窓口に確認すると確実です。
アプリは英語対応しています
i-Akaunアプリはマレー語・英語の切り替えが可能です。日本語には対応していませんが、手順は比較的シンプルで、英語が少し読めれば問題なく操作できます。
ライフイベントのたびに更新を
結婚・離婚・子供の誕生など家族構成が変わったときは、必ず受取人情報を更新しましょう。スマホから何度でも変更できます。日本のiDeCoと同じ感覚で、定期的に見直す習慣をつけておくのがベストです。
EPFの受取人登録は「今すぐ必要」ではないからこそ後回しにされがちですが、いざというときに家族の負担を大きく左右する大切な手続きです。i-Akaunアプリがあればわずか数分で完了しますので、この機会にぜひ済ませておきましょう。
出典: Leesharing の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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