マレーシアの金が熱い!ポーコン純利益47%増の裏側

マネー・生活費

マレーシアに住んでいると、ショッピングモールの一角でよく目にする金色に輝くジュエリーショップ、ポーコン(Poh Kong/宝光)。実はこの老舗ジュエリーチェーン、2026年に入って記録的な好業績を上げていることをご存知でしょうか?

その背景にあるのは、世界的な金(ゴールド)価格の急騰です。店頭の金製品が値上がりしている体感は、データにもはっきり表れています。


ポーコンの決算が示す「金バブル」の実態

マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)に上場するポーコンの2026年第3四半期決算(2026年4月30日締め)は、驚くべき数字でした。

指標 今年度Q3 前年同期比
売上高 RM5億8,557万(約231億円) +9.7%
純利益 RM7,001万(約27.7億円) +47.1%

9ヶ月累計で見るとさらに顕著です。

指標 今年度(9ヶ月) 前年同期 変化
売上高 RM15億5,434万(約614億円) 増加
純利益 RM1億5,716万(約62億円) RM9,854万(約39億円) +59.5%

売上高が約10%増に対し、純利益が47〜60%増という不釣り合いな伸び——これが金価格高騰の「旨み」をそのまま表しています。金の仕入れ価格が上がれば売値も上がり、その分だけ利幅が自動的に広がる構造です。


なぜ今、金価格が急騰しているのか?

ポーコン自身が決算説明で挙げた主な要因は4つです。

  1. 中央銀行による金購入の増加 — 世界各国がドル依存から脱却し、外貨準備として金を積み増している
  2. 消費者需要の拡大 — アジアを中心に宝飾品・金地金への需要が旺盛
  3. 安全資産への資金流入 — 地政学リスクや通貨不安を背景に「有事の金」需要が高まっている
  4. インフレヘッジ — 実質金利の低下局面では金の魅力が増す

これはマレーシア国内だけの現象ではなく、世界規模の流れです。日本でも金価格が過去最高水準を更新し続けているのをご存知の方も多いでしょう。


日本との比較で見る「金」の文化的位置づけ

日本では田中貴金属や三菱マテリアルで金の延べ棒・積立購入をする「老後のための資産保全」イメージが強いですね。一方、マレーシアの中華系コミュニティでは、金は結婚・出産・旧正月などの節目に贈るものという文化が根強く、「タンス預金代わりの金のネックレス」という感覚もあります。

日本 マレーシア(中華系中心)
主な用途 資産保全・積み立て 贈り物・日常アクセサリー
購入場所 専門店・証券会社・銀行 ショッピングモール内のジュエリーショップ
好まれる形態 延べ棒・金貨 ネックレス・リング等の宝飾品
文化的意味 老後・安全・資産 幸運・祝福・富の象徴
純度の基準 24K(999)が主流 22K(916)と24K(999)の両方

この文化的背景があるからこそ、マレーシアでは金価格が上がっても「買い控え」よりも「今のうちに買っておこう」という心理が働きやすいのです。


ポーコンとは?マレーシアの老舗ジュエリーチェーン

ポーコンはマレーシア全土に200店舗以上を展開し、1976年創業の歴史を持つジュエリーチェーンです。AEON、Sunway Pyramid(サンウェイ・ピラミッド)、Mid Valley(ミッドバレー)、Pavilion(パビリオン)など、主要ショッピングモールにほぼ必ず入っています。

  • 強み: 中国語・英語対応スタッフが多く、中華系顧客に特化したラインナップ
  • 主力商品: 22〜24金の高純度ゴールドジュエリー、プラチナ、宝石類
  • 価格設定: 日によって店頭の金価格(1グラム単価)が変わる「市場連動型価格」
  • 競合: Habib Jewels(ハビブ)、Tomei(トメイ)などと並ぶ大手

日本人向けメモ:マレーシアで金を買う際に知っておきたいこと

マレーシアのジュエリーショップで金製品を購入する際、日本との違いを知っておくと安心です。

  • 純度表示の違い: マレーシアでは「916(22K)」「999(24K)」が一般的。日本でよく見る「18K(750)」の商品は少なめです
  • 工賃(crafting fee): 金のグラム単価に加え、加工賃が別途かかります。買取時には工賃は戻らないため、純資産目的なら地金(インゴット)の方が効率的です
  • 買取価格: 購入時より安い価格での買取になる点は日本と同じです
  • 価格交渉: 高額購入の際は値引き交渉が可能なことがあります。「Can you give me a better price?」と聞いてみましょう
  • 英語対応: 大型モール内の店舗はほぼ英語対応しています
  • SST(消費税): 宝飾品にはSST(売上税)が適用される場合があります

ポーコンの好決算は、マレーシアにおける金市場の活況をそのまま映しています。「高いから今は買い時ではない」と感じる人もいれば、「さらに上がる前に買っておこう」と考える人もいるでしょう。

いずれにせよ、金は長期保有を前提にした資産です。短期売買より「少しずつ積み立てる」視点で向き合うのが、マレーシア・日本問わず賢い付き合い方かもしれません。ショッピングモールでポーコンの前を通った際には、店頭の「今日の金価格」ボードをちらっと確認してみてください。

※本記事の円換算は1RM=39.5円(2026年6月15日時点)を使用しています。

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました