中国車vsプロトン!マレーシア自動車戦争の行方

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マレーシアの道路で最近、見慣れない中国ブランドの車を見かけることが増えていませんか?

「BYD」「Chery(奇瑞)」「AITO」——かつてはほとんど見かけなかったこれらの中国車が、今やマレーシアの自動車市場に怒濤の勢いで参入しています。その背景と、マレーシアの国民的ブランド「プロトン(Proton)」の反撃策をまとめました。

中国トップに躍り出た「吉利」とは何者か

今回の動きの中心にいるのが、吉利(ジーリー / Geely)という中国の自動車グループです。販売台数で中国国内トップの座を獲得したGeely——日本でいえば、トヨタグループが国内首位であるのと同じような地位を、今の中国市場で占めているイメージです。

そしてこの吉利が、マレーシアの国民的ブランド「プロトン」の筆頭株主(50.1%保有)であるという事実を、ご存じでしょうか。

プロトンはもはや「マレーシアだけの会社」ではない

項目 詳細
プロトンへの出資比率 吉利(Geely)が50.1%
関係の性質 吉利の子会社として傘下に入る
日本で例えると 日産がルノー傘下に入っている関係に近い

つまりプロトンは、すでに「中国資本の自動車ブランド」でもある。ここが今の状況をやや複雑にしているポイントです。親会社である吉利が自社ブランドの車もマレーシアで販売しており、「同じ親会社の子会社と本体が同じ市場で競い合う」構図が生まれています。

ペラ州に誕生したEV専用工場

2025年、プロトンはペラ州(Perak)タンジュンマリム(Tanjung Malim)に電気自動車(EV)専用工場を開設し、本格稼働を開始しました。

指標 現状
現在の稼働率 約60%
年間生産能力 2万台
将来の最大能力 4万5千台(拡張時)

まだ稼働率60%と余力を残していますが、中国車との競争が激化する中でいかに需要を取り込んでいくかが、プロトンの正念場となっています。

意外な事実:郵便事業と航空機部品も

プロトンを傘下に持つDRBHCOMグループは、実は非常に多角的な企業グループです。

マレーシア郵便(POS Malaysia)

グループが53.5%を保有するマレーシア郵便(POS Malaysia)は、2018年6月以来、継続的な赤字を計上しており、収益貢献は約10%程度。郵便物量の急減が響いており、日本の郵政民営化問題に似た課題を抱えています。

CTRM:エアバスも認めた航空機部品メーカー

一方、意外な高評価を受けているのが、航空宇宙部門の子会社CTRMです。

項目 内容
エアバスによる格付け 世界トップ5の複合材料航空宇宙構造サプライヤー
受注残高 RM88億(約3,538億円)※2026年5月時点、1RM=40.2円
受注期間 2040年まで長期確保
売上構成(エアバス向け) 75%
売上構成(ボーイング向け) 24%

FY2025では、自動車・航空・防衛を含む「モバイルセグメント」がグループ全体の74%を占める収益の柱となっています。スピリット・エアロシステムズ(Spirit AeroSystems)を買収したことも最近の大きなトピックです。

日本人が知っておくべきこと

マレーシアに住む、または移住を検討している日本人にとって、この流れはどう影響するでしょうか?

  • 選択肢が大幅に増えた: 数年前まで「日本車かプロトン/プロドゥアか」が主な選択でしたが、今や中国EV各社が有力な選択肢として加わっています
  • 価格競争が起きている: 中国メーカーの参入で競争が激化し、日本車を含めた相対価格が抑えられる傾向があります
  • EVインフラはまだ発展途上: 購入を検討する際は、自宅や職場周辺の充電スポットを事前に確認することが重要です
  • アフターサービスを確認: 中国ブランドは日系メーカーほどサービス網が充実していないケースも。ディーラーのサービス体制を購入前に必ず確認しましょう

マレーシアの自動車市場は今まさに大きな転換期を迎えています。「親会社と子会社が同じ市場で競う」という複雑な構図がどう展開するか、日常的に車を使う在住者にとっても目が離せない動きです。

写真: Muhammad Faiz Zulkeflee / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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