マレーシアのマクドナルドが10年続けるお年寄りへの旧正月ギフト

生活・文化

「マクドナルドでお正月を祝う」――日本人には少し意外に思えるかもしれませんが、マレーシアではこれが10年続く感動の伝統になっています。

10年間、欠かさず続けてきた理由

大马麦当劳(マクドナルド・マレーシア)は2017年から毎年、旧正月の時期に高齢者施設を訪れる「コミュニティケアプログラム」を実施しています。2025年の旧正月には、クアラルンプール郊外のコタ・ダマンサラ(Kota Damansara)のドライブスルー店舗を会場に、「菩提老人院(Bodhi Homecare)」と「老人家甲洞(Lao Yin Kah Kepong Elderly Home)」のお年寄りたちを招待しました。

日本でも大手企業がCSR活動を行いますが、マクドナルド・マレーシアのそれはスケールが違います。

項目 マクドナルド・マレーシア 一般的な日本企業のCSR
訪問施設数(累計) 全国120施設以上 数施設〜十数施設
年間活動回数 10,000回以上 数十〜数百回
継続年数 10年(2017年〜) 数年単位が多い
活動内容 食事・文化体験・寄付 物資提供・清掃活動が中心

旧正月ならではの「縁起祭り」を体験

イベント当日、会場を彩ったのは獅子舞(lion dance)。迫力ある演舞が高齢者たちを出迎え、会場は旧正月の活気に包まれました。

そして旧正月といえば外せないのが「捞生(ロウサン)」。マレーシアの旧正月を象徴するこの料理、日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、実はとてもユニークな食文化です。

捞生(ロウサン)とは?

捞生は生魚・野菜・各種ソースを大皿に盛り付け、全員が箸や取り箸で高く掻き混ぜながら「捞!捞!捞!(ロウ!ロウ!ロウ!)」と声を上げる料理です。日本のお雑煮を家族全員でかき混ぜながら食べるイメージに近いかもしれません。高く掻き上げるほど繁栄と幸運が訪れるとされており、この「参加型の縁起料理」がマレーシアの旧正月を象徴しています。

今年のテーマは 「Prosperity Kembali, Lebih Bererti(繁栄が戻り、より意義深く)」。マレー語と英語を組み合わせたこのテーマ自体が、多民族国家マレーシアらしさを体現しています。

RM3,000の寄付に込められた思い

イベントでは、老人家甲洞へのRM3,000(約9万9千円)の寄付も行われました。この資金は施設の日常運営、食事、生活必需品、ケア費用に充てられます。

施設の委員であるTan Jit Keong氏とお年寄り10名が参加し、普段はなかなかできない「ドライブスルー体験」も楽しんだといいます。施設に暮らす高齢者にとって、外の世界へ出るだけでも大きな喜びになるのです。

なぜマクドナルドがこれほど根付いているのか

マレーシアでマクドナルドは「外資系ファストフード」以上の存在です。24時間営業の店舗が多く、バースデーパーティー・家族の集まり・子どもの放課後の定番スポット。地域コミュニティの「リビングルーム」的な役割を担っています。

日本でもマクドナルドは身近な存在ですが、マレーシアのそれはより「生活の一部」として溶け込んでいる印象です。だからこそ、こうした地域密着型の社会貢献活動が10年以上続き、地元からの支持を集め続けているのでしょう。

日本人が知っておくべきこと

  • 旧正月期間中は多くの中華系店舗が休業します。マクドナルドは通常通り営業しているため、旧正月期間の食事確保の拠点としても頼りになります
  • ロウサン(捞生)体験は在住日本人にもおすすめ。旧正月前後(1〜2月)に中華系レストランで提供されます。家族・友人・職場の同僚と一緒に楽しめます
  • マレーシアの旧正月は日本のお正月と異なり、約15日間続きます。期間中はお年寄りへの敬意を示す文化的慣習(赤封筒「紅包/アンパオ」の贈り合い等)があります
  • マクドナルド・コタ・ダマンサラ店はKLIAからMRT+バスでアクセス可能。クアラルンプール中心部からは車で約30分のエリアです

マレーシアのファストフードに「地域の温かさ」を感じる出来事でした。旧正月シーズンにマレーシアを訪れる機会があれば、街のあちこちに広がるこうした「縁起と絆の文化」をぜひ肌で感じてみてください。

写真: Victoria Malakhina / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。>

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