マレーシア労働法2026:働く人の権利完全ガイド

生活・文化

マレーシアで働いている日本人の方、自分の労働者としての権利を正確に把握していますか?「うちの会社はこういうルールだから」と言われても、それが法律通りかどうか判断できないと損をすることも。

マレーシアには「雇用法(Employment Act 1955)」という日本の労働基準法に相当する法律があり、2023年の大改正を経て内容が大幅に強化されました。2026年現在も有効なこの法律の主要ポイントを、日本との比較を交えながら整理します。

労働時間のルール

2023年の改正により、週の法定労働時間が48時間から45時間に短縮されました。日本の労働基準法(週40時間)とはまだ差がありますが、着実に改善が進んでいます。また残業代の倍率は日本より高く設定されているのが特徴です。

項目 マレーシア 日本
週の法定労働時間 45時間 40時間
残業代(平日) 1.5倍 1.25倍以上
残業代(休日) 2.0倍 1.35倍以上
残業代(祝日) 3.0倍 1.35倍以上

祝日(Public Holiday)に働かされた場合の3.0倍は特に手厚い保護です。「残業代なし」の口約束は雇用法違反になります。

有給休暇・各種休暇

有給休暇は勤続年数によって付与日数が変わります。また、日本にはない「病気休暇(Sick Leave)」が有給とは別枠で設けられているのがマレーシアの特徴です。

勤続年数 年次有給 病気休暇(通院) 病気休暇(入院)
2年未満 8日 14日 60日
2〜5年 12日 18日 60日
5年以上 16日 22日 60日

育児関連の休暇(2023年改正で大幅改善)

  • 産休(Maternity Leave): 98日(改正前は60日。日本の産休は産前6週+産後8週=約14週と近い水準)
  • 育児休暇(Paternity Leave): 7日(新設。日本の育休より短いが、制度として明文化された意義は大きい)

最低賃金(2025年改定)

2025年2月1日より最低賃金が引き上げられました。

地域 最低月給 日本円換算(1RM≈40.4円、2026年4月29日時点)
半島マレーシア RM1,700 約68,680円
サバ州・サラワク州 RM1,600 約64,640円

日本の最低賃金(全国加重平均1,055円/時・2024年度)をフルタイム換算すると月約177,000円。マレーシアの最低賃金は日本の約4割の水準ですが、物価差を考慮すると生活実感としての差はそれほど大きくありません。

解雇・退職のルール

雇用主が従業員を解雇する場合、勤続年数に応じた予告期間が必要です。日本の「30日前告知または30日分の給与」に似た仕組みですが、長期勤続者ほど手厚い保護があります。

勤続年数 解雇予告期間
2年未満 4週間
2〜5年 6週間
5年以上 8週間

リストラ(Retrenchment)の場合は別途退職金が支払われます。勤続1年ごとに10〜20日分の給与が基準となります。

セクシャルハラスメント対策の強化

2023年改正でハラスメント対応も明確化されました。雇用主は被害申告から60日以内に調査完了が義務付けられ、申告した従業員への報復(降格・解雇等)は法律違反となります。申告先は労働局(Department of Labour)への直接申告も可能です。

日本人が知っておくべきこと

駐在・現地採用を問わず、雇用法はすべての在マレーシア就労者に適用されます(一部駐在員は会社規定が優先される場合がありますが、最低基準は法律で保護されています)。特に以下の点を押さえておきましょう。

  1. 残業代は必ず請求できる — 法定残業が発生した場合、割増賃金の不払いは違法です。
  2. 未消化有給は買い取られる — 退職時に残った有給は基準賃金で清算されます(会社は拒否できません)。
  3. 相談窓口は無料 — 労働局(Jabatan Tenaga Kerja)は英語対応あり。不当解雇・残業代未払いは無料で申し立てできます。
  4. 日本人商工会議所(JACTIM)も活用を — 労働トラブルの初期相談先として、在マレーシア日本人商工会議所の活用もおすすめです。

自分の権利を知っておけば、いざというときに冷静に対処できます。マレーシアの労働環境を正しく理解した上で、充実したキャリアを歩んでいきたいですね。

出典: Leesharing の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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