2172億円が流出!マレーシア債券市場の波乱

マネー・生活費

マレーシアに住んでいると、日々の買い物や家賃の支払いがRM建てなので、為替の動きが気になることはありませんか?特に日本への送金を考えているときは「今、リンギットは強いのか弱いのか」が頭をよぎりますよね。

2026年7月、そのリンギット相場に影響を与える大きな動きがありました。外国人投資家がマレーシアの債券市場から56億リンギット(約2,172億円)を引き揚げたのです。

1ヶ月で2,000億円超の資金が流出

債券とは、政府や企業が発行する「借用証書」のようなもの。国債が代表例で、外国人投資家がこれを大量に売却し、その資金を国外に持ち出したということです。

市場 外資の動き 金額 日本円換算(1RM≈38.8円)
債券市場 流出(売却) RM 56億 約2,172億円
株式市場 流入(購入) RM 3億 約116億円
差し引き 流出超 RM 53億 約2,056億円の流出超

株式市場には外資が3億RM(約116億円)流入しましたが、債券からの流出をカバーするには程遠い水準です。

なぜ外資が引き揚げているのか?

背景には2つの大きな力が働いています。

アメリカの金利高止まり

アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度)が引き続き高金利を維持しているため、世界の投資マネーが「より高い利回りが得られる」アメリカへと向かっています。日本でも2022〜2024年に「円安ドル高」が急激に進んだとき、同じメカニズムが働いていましたね——「日本の低金利よりアメリカの高金利が有利」という構図です。マレーシアも今、同じ引力に引っ張られています。

マレーシアの政治的不確実性

投資家にとって政治の安定は、資金を置く際の重要な判断材料です。政府の信頼性・財政規律・改革の進捗状況が問われており、これが「様子見」ムードにつながっています。日本でいえば、政権交代や選挙前後に日本株・円が荒れやすいのと同じ心理です。

外貨準備高の現状

マレーシア国立銀行(中央銀行)の外貨準備高は7月末時点で1,321億ドル(約20.7兆円)。前月より5億ドル(約785億円)の減少となりました。

項目 マレーシア 日本(参考)
外貨準備高 約20.7兆円 約195兆円
輸入を賄える月数 4.7ヶ月 約18〜24ヶ月

国際的な「安全ライン」は3ヶ月以上とされており、マレーシアの4.7ヶ月はその基準を超えています。ただし為替スワップの活用残高が6月時点で16ヶ月ぶりの高水準(約2,720億ドル/約4.3兆円相当)に達しており、実質的な外貨の自由度は表面上の数字より小さいとの指摘もあります。

リンギットの近い将来は?

アナリストは近い将来のリンギット対ドルレートを4.00〜4.10RM/USDと予測しています。

シナリオ RM/USD 1RMあたりの円換算(参考)
リンギット強含み 4.00 約39.3円
現状維持 4.05 約38.8円(現在水準)
リンギット弱含み 4.10 約38.3円

※JPY換算はUSD/JPYレート(約157円)を元にした概算で、日々変動します。


日本人が知っておくべきこと

在マレーシア日本人への実際の影響をまとめました。

  • RM建て給与の方: リンギット安が進んでも、日常の食費・家賃・交通費もRM建てなのでマレーシア国内の生活水準は変わりません。問題になるのは「日本への送金時」と「一時帰国の費用」です。

  • 日本への送金を考えている方: リンギット安の局面では円換算で受け取れる金額が減ります。大きな金額を送る場合は、Wiseや銀行の為替レートを比較しながら複数回に分けて「レートをならす」方法も選択肢のひとつです。

  • マレーシアの投資を持っている方: 株式市場への外資流入はプラス材料ですが、債券市場の動揺が続く間は株価の変動リスクも高まりやすい状況です。短期的な値動きに一喜一憂せず、中長期の視点を持つことが大切です。

  • 政策の動向を注視: 政府の財政改革や補助金見直しの方針が、投資家信頼の回復に直結します。マレーシア国会の動向や国立銀行の発表をときどきチェックしてみてください。


1RM = 38.8円(2026年8月11日時点)で換算。為替レートは日々変動します。

写真: Chander Mohan / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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