マレーシア株注目!土地売却で赤字43%縮小

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マレーシアの鉄鋼・製造大手アンジュー・リソーシス(Annjoo Resources)が、ケダ州クリム(Kulim)の工業用地を約47億円で売却すると発表しました。不振が続く本業の赤字を、土地売却益で補う構図です。マレーシア株(ブルサ・マレーシア)に関心がある方にとっても、マレーシアの工業用地市場の動向として在住者にとっても、興味深いニュースです。

取引の概要——東京ドーム約5個分の土地を売却

売却対象は、ケダ州クリムにあるクリム重工業園(Kulim Industrial Park)内の62.4エーカー(約25.2万平方メートル)の工業用地です。東京ドーム約5.4個分に相当する広さ、と言うとイメージが湧くでしょうか。

買い手は中国系企業のジチェン・マレーシア(Zichen Malaysia)で、売却価格はRM1億1,960万(約47億2,420万円)、1平方フィートあたりRM44です。

ただしこの土地は「共同開発協定(JDA:Joint Development Agreement)」の対象のため、売却額の全額が会社に入るわけではありません。

項目 金額(RM) 日本円換算(約)
売却総額 1億1,960万 約47億2,420万円
JDA分配後の純手取り 6,920万 約27億3,340万円
税引後の利益貢献 3,210万 約12億6,795万円
債務返済に充当 3,300万 約13億350万円

取引完了は18ヶ月以内(2027年12月まで)の見通しです。

赤字を「不動産売却」で補う——日本でも見覚えのある手法

アンジュー・リソーシスは、2026年度にRM7,430万(約29億3,485万円)の最終赤字が見込まれています。今回の土地売却による税引後利益(RM3,210万)が加わることで、赤字幅を約43%縮小できる計算です。

日本でも景気後退期に、製鉄所や工場の遊休地を売却してキャッシュフローを確保する事例は少なくありません。新日本製鉄(現・日本製鉄)が事業再編で不動産を活用したのと似た発想です。マレーシアの製造業でも、こうした「土地の現金化」は珍しくない手法として認知されています。

さらに注目すべきは、これが直近12ヶ月で2度目の工業用地売却という点です。クリム工業団地の土地が立て続けに売れていることは、この地域の工業用地需要が旺盛であることを示しています。

クリムとはどんな場所?——マレーシアの「半導体の聖地」

クリム(Kulim)はペナン州の南側に隣接するケダ州の工業都市です。「クリム・ハイテク・パーク(Kulim Hi-Tech Park)」はインテルやインフィニオンなど世界的な半導体メーカーが進出しており、近年の半導体ブームで土地需要が急増しています。

日本でいうと、トヨタ関連企業が集積する愛知県豊田市の工業地帯に近いイメージで、工業用地の価格が持続的に上昇しているエリアです。そのクリムの土地が「12ヶ月で2回売れた」という事実は、それだけ需要が高いことの証左と言えます。

株価と財務指標——まだ眠る「隠れ資産」

会社はまだ315.7エーカーの未開発土地を保有しており、この価値は現在の株価に十分反映されていないとアナリストは指摘しています。

指標 数値
株価(2026年6月11日) 52.5センポイント(約20.7円)
目標株価 54センポイント(約21.3円)
保有未開発土地 315.7エーカー
2027年予想EPS 4.0センポイント
予想PER 12.9倍
予想配当利回り 2.9%
アナリスト推奨 ホールド(Hold)

PER12.9倍、配当利回り2.9%は、マレーシア製造業セクターの中では割安感のある水準です。ただし、現時点のアナリスト推奨は「ホールド」——積極的な新規買いではなく、既存保有者が様子見するレベルの評価です。

日本人投資家向けメモ

ブルサ・マレーシア(Bursa Malaysia)への投資を検討している日本人の方に、いくつかのポイントをまとめます。

  • セクターリスク: 鉄鋼業は景気サイクルや中国の過剰供給問題の影響を受けやすく、現在は逆風環境が続いています
  • 投資スタンス: 土地資産の顕在化を待つ中長期的な視点が向いており、短期の値上がり狙いには不向きです
  • 為替リスク: MYR/JPY(リンギット/円)の為替変動も投資リターンに影響します
  • 証券口座: 日本からブルサへの投資は、SBI証券・楽天証券などの外国株サービス、またはマレーシア現地証券会社の口座が必要です
  • 情報収集: China Pressなどの華字メディアが詳細なアナリストレポートを毎日掲載しており、マレーシア株情報源として非常に有用です

アンジュー・リソーシス(証券コード:6556)は、土地という「眠れる資産」をいかに顕在化させるかが、今後の株価の鍵を握りそうです。


※1RM=39.5円(2026年6月13日時点)で換算しています。為替レートは変動します。

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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