マレーシアに住んでいると、ショッピングモールや商店街でよく見かける「金(ゴールド)ショップ」。マレーシアの人々にとって金は投資・贈り物・資産保全の定番手段ですが、2026年3月現在、その金価格が急落しています。
10日間で何が起きたのか
2026年1月、金価格は史上最高値に近い水準である1オンスあたり約USD 5,600(約RM 22,092 / 約72万8,000円)まで上昇していました。ところが3月に入り、金価格は10日連続で下落。2026年3月24日時点ではUSD 4,407前後(約RM 17,442 / 約57万6,000円)まで落ち込み、最高値から約21%下落という「ベアマーケット(弱気相場)」入りとなっています。
| 時点 | 価格(USD/オンス) | RM換算 | 円換算(概算) |
|---|---|---|---|
| 2026年1月 最高値 | USD 5,600 | RM 22,092 | 約72.8万円 |
| 2026年3月24日 | USD 4,407 | RM 17,442 | 約57.6万円 |
| 下落幅 | -約21% | — | — |
なぜ下落しているのか?
主な要因は以下の3つとされています。
① 中東情勢の変化
米国がイスラエルのイラン攻撃を支持した後、西アジア(中東)情勢が一時緊迫化したことで金が「有事の資産」として買われていました。その後、緊張が緩和するとともに金は売られる展開になりました。
② 米国大統領のSNS発言
トランプ元大統領がTruth Socialに投稿した発言が市場を動かし、売り圧力が強まりました。SNSが金市場を動かす——現代の金融市場の一面ですね。
③ 中央銀行の利上げ観測
金利が上がると債券などの利回りが魅力的になるため、相対的に「利息を生まない」金が売られやすくなります。これは日本でも同じ構造です。
株と金の「資金の移動」を読む
興味深いのは、S&P 500(米国株指数)が同期間にわずか4%未満しか下落していない点。つまり投資家は金を売りながら、株を買っている可能性が示唆されています。
| 資産クラス | 同期間の変動 | 背景 |
|---|---|---|
| 金(ゴールド) | -21% | 有事プレミアム剥落、利上げ観測 |
| 米国株(S&P 500) | -4%未満 | リスクオンへのシフト |
これは日本の「有事の円買い」と似た構造で、有事が落ち着くと安全資産から収益資産へ資金が戻っていくパターンです。
マレーシアにおける「金」の位置づけ
日本では金は「田中貴金属」などで購入する比較的ニッチな投資ですが、マレーシアでは文化的に根づいた資産手段です。
- 中華系マレーシア人:旧正月の贈り物、結婚の持参金として金の宝飾品は必須
- マレー系マレーシア人:イスラム金融の観点からも金は許容された投資資産
- インド系マレーシア人:ディーパバリや結婚式での金アクセサリーは欠かせない
ショッピングモールの金ショップで「999純金(24K)」のバーやコインが日常的に売られているのも、こうした文化的背景があるからです。
日本人向けメモ
✅ 金投資に興味がある在住者へ
– マレーシアの金ショップでは999純金(24K)の金バーやコインが購入できます。AEONやSunway内の金ショップ(Tomei、Poh Kong等)が大手チェーンです
– 購入時にはパスポートやIC(身分証)の提示が必要な場合があります
– 価格はほぼ国際価格連動。1グラム単位で購入可能(現在の目安:約RM 560/g ≈ 約1万8,500円)
⚠️ 注意点
– 今後の金価格は「市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)が続く見込み」とアナリストは述べており、短期売買はリスクが高い状況です
– 日本と違い、マレーシアで購入した金を日本に持ち込む際は税関申告が必要です(100万円相当以上)
– 「今が底値」という保証はなく、中東情勢や米国政策次第でさらに動く可能性があります
金投資は長期視点で、余裕資金の範囲内で検討するのが鉄則——これはどの国でも変わらないですね。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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