マレーシアの携帯キャリアに「王族が会長」という話、あなたは聞いたことがありますか?
2026年3月13日、マレーシアの通信大手U Mobileが大きな経営刷新を発表しました。創業者のタン・スリ陳志遠(チェン・チーユェン)氏が会長を退き、顧問に就任。新たな会長としてジョホール州王女トゥンク・アミラ殿下が就任したのです。
U Mobileとは?日本人にとっての馴染み度
U Mobileは2007年に設立されたマレーシアの携帯通信キャリア。日本でいえばソフトバンクやau(KDDI)のような存在で、5Gネットワークの展開にも積極的な企業です。マレーシアには他にCelcom Digi(合併後)、Maxis、TM(Unifi)などの通信大手が存在しますが、U Mobileは「後発の挑戦者」として価格競争力を武器に成長してきました。
| キャリア | 特徴 | 日本で例えると |
|---|---|---|
| Celcom Digi | 合併による最大手 | NTTドコモ |
| Maxis | 高品質・プレミアム路線 | au(KDDI) |
| U Mobile | 価格競争力・若者向け | 楽天モバイル |
| TM (Unifi) | 固定回線主体 | NTT東西 |
今回の株主再編の中身
今回の変化のカギは、シンガポール系企業ST Telemediaがその保有株をMawar Setia Private Limited(MSSB)に売却したこと。これによりMSSBがU Mobileの50%超の筆頭株主となりました。
そのMSSBを共同設立したのが——
- 陳志遠氏(チェン・チーユェン): 持分70%、U Mobile創業者でビジネス界の重鎮
- トゥンク・アミラ王女: 持分30%、ジョホール王室メンバー
日本でいえば、孫正義氏がソフトバンクを創業し、その後皇室の方が取締役会長として就任——というような、かなりインパクトのある人事です。
「王族×ビジネス」はマレーシアでは珍しくない
「王族が民間企業の会長?」と驚いた方も多いかもしれません。しかしマレーシアでは王族がビジネス界で活躍するのは決して珍しくない慣習です。
マレーシアには連邦制のもと、9つの州に世襲の王(スルタン)とその一族が存在します。日本の皇室が公務に専念するスタイルとは異なり、マレーシア王族は商業活動や企業経営に積極的に参画することがあり、その「名声・人脈・政府との関係」がビジネスに強力な後ろ盾をもたらします。
特にジョホール王室は経済的に非常に活発で知られており、今回のU Mobile会長就任もその延長線上にあると言えるでしょう。
マレーシア資本化が進む通信業界
今回の株主再編で見逃せないのが「マレーシア国内株主の持分が増加した」という点です。これはマレーシア政府が推進する「国内資本の強化」という政策方針と一致しています。
日本でも2000年代に外資の通信事業参入が議論されたことがありましたが、マレーシアも同様に、通信インフラの国内管理を重視する姿勢を強めています。シンガポール系のST Telemediaから国内資本への移行は、その流れを象徴する出来事と言えます。
日本人向けメモ
在マレーシア日本人の方へ: U Mobileは日本語対応カスタマーサービスはありませんが、英語対応のショップはKLCC、Mid Valley、各大型ショッピングモールに展開しています。今回の経営刷新はサービス内容に直接影響するものではありませんが、王族と民間財閥が組んで通信インフラを支配する構図はマレーシア社会を理解するうえで重要な背景知識です。
旅行者の方へ: マレーシアでのSIMカード選びに迷ったら、U Mobileのプリペイドプランは空港や街中のコンビニで購入でき、コストパフォーマンスが高いと評判です。今後の王族バックアップによる5G展開拡大にも期待が持てます。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。>


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