食の支援で銀賞!マレーシア企業のESG活動とは

生活・文化

マレーシアの不動産大手・金群利グループ(MATRIX、証券コード:5236)が、2025年ESGインパクトアワードで「コミュニティ関係賞(大企業部門)」の銀賞を受賞しました。受賞の鍵を握ったのは、地域住民に食料を届ける「食物庫(フードバンク)プログラム」です。

日本でも近年フードバンクの認知度が高まっていますが、マレーシアでは企業のCSR(社会的責任)活動として根付きつつあります。その実態を詳しく見ていきましょう。

金群利グループとは?

セランゴール州を拠点とする不動産開発会社で、2026年に創業30周年を迎えます。「MATRIX(マトリックス)」ブランドで知られ、住宅・商業施設の開発を手がける中堅デベロッパーです。

フードバンクの仕組みと成果

今回受賞の対象となった「食物庫プログラム」は、スレンバン(ネグリ・センビラン州)の低所得世帯に食料を届ける取り組みです。

項目 詳細
パートナーNPO Kechara Soup Kitchen(社会福祉NPO)
対象地区 スレンバン(ネグリ・センビラン州)
支援家庭数の推移 第1回:約40世帯 → 第6回:62世帯
参加者 社員・取引先・ボランティア
今後の展開 創業30周年を機に「シーズン2」として拡大予定

第6回目となる最新活動では62世帯を支援し、回を重ねるごとに規模を拡大しています。単なる食料配布にとどまらず、社員・取引先・地域ボランティアが一体となって参加することで、企業ぐるみのボランティア文化の醸成にも貢献しています。

ESGアワードとは?日本との比較

「ESG(Environment・Social・Governance)」は環境・社会・ガバナンスを軸とした企業評価指標です。日本でも東証が2023年からESG関連情報の開示強化に動くなど、急速に注目が集まっています。

比較項目 日本 マレーシア
ESG開示 大企業向けに義務化の流れ 上場企業に開示推奨
フードバンク主体 セカンドハーベストなどNPO中心 企業CSRとして取り組む事例多数
ボランティア文化 個人参加型が中心 企業ぐるみで社員が参加
評価制度 ESG認証・格付けが普及中 ESGインパクトアワードで表彰

なぜ企業がフードバンクを?——文化的背景

マレーシアは多民族社会(マレー系・中華系・インド系)で、宗教・文化の違いを超えた「思いやり(kepedulian)」の精神が社会の根幹にあります。

特に中華系企業文化では、社会への報恩(恩返し)の意識が強く、企業の成長とともに地域に還元する姿勢が重視されます。日本でいえば「三方よし」——売り手よし・買い手よし・世間よし——という近江商人の精神に通じるものがあります。

また、マレーシアは宗教的な食事制限(ハラール・ヒンドゥー系ベジタリアン等)が多民族共存している社会のため、フードバンクの食料選定にも細かい配慮が必要。こうした複雑さを乗り越えた支援活動は、多民族社会ならではの連帯感を育む場にもなっています。

日本人が知っておくべきこと

  • Kechara Soup Kitchen(ケチャラ・スープキッチン)は、クアラルンプールに拠点を置く非営利団体で、路上生活者への食事提供でも有名です。外国人ボランティアも受け入れており、在住日本人が地域貢献できる場のひとつです。
  • ESGアワードは、マレーシアの不動産・金融セクターでブランド価値を高める重要な指標になっています。物件購入や不動産会社選びの際、ESG評価を確認する視点も参考になります。
  • マレーシアのフードバンクは、日本と同様に「食品ロスの削減」と「困窮者支援」の両立を目指す活動です。スレンバン在住の方は、地域の支援活動に参加してみるのも良いかもしれません。

金群利グループのこうした取り組みは、単なるPRにとどまらず、「企業が地域に根ざす」マレーシアの温かみを体現しています。創業30周年を機にさらなる拡大を目指す「シーズン2」にも注目です。

写真: Kelvin Zyteng / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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