30期連続赤字!マレーシア郵便の今後は?

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「日本の郵便局って本当によく出来てるな」と感じたことはありませんか?日本では郵便局が金融・保険・物流を一手に担う巨大インフラですが、マレーシアの郵便事業「POS Malaysia(ポス・マレーシア)」は現在、非常に厳しい状況に置かれています。

2026年2月に公表された最新決算によれば、POS Malaysiaは30四半期連続(実に7年半以上!)の赤字を記録。2025年度通期の純損失は2億926万リンギット(約69億円)にのぼりました。

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指標 2025年度Q4 前年同期比
純損失 7,709万RM(約25.4億円) わずかに改善
売上高 4億6,780万RM(約154億円) +2.0%
指標 2025年度通期 2024年度通期
純損失 2億926万RM(約69億円) 2億266万RM(約67億円)
売上高 18億3,920万RM(約607億円) 18億5,220万RM(約611億円)

四半期の売上は前年比+2%と改善傾向が見えますが、通期では0.7%の微減。損失は7年半にわたり積み上がり続けています。

日本郵便と比べてみると

日本とマレーシアの郵便事業を比較すると、その構造的な違いが浮かび上がります。

比較項目 日本郵便(Japan Post) POS Malaysia
経営状況 黒字(郵便単体は苦戦) 30期連続赤字
主力収益 ゆうちょ銀行・かんぽ生命 郵便・物流のみ
国内拠点数 約24,000局 約700拠点
EC物流対応 拡大中 小包量は増加傾向

日本郵便も郵便事業単体では赤字傾向ですが、ゆうちょ銀行やかんぽ生命がグループの稼ぎ頭です。一方POS Malaysiaはかつて金融機能を分離しており、郵便・物流の収益だけで立たなければなりません——これが長期赤字の根本的な構造要因のひとつです。

なぜ7年半も赤字が続くのか?

1. 民間物流の台頭
Shopee(ショッピー)やLazada(ラザダ)といった大手ECプラットフォームは、J&T ExpressやNinja Van(ニンジャバン)など民間物流と組んでいます。かつて「郵便=POS Malaysia」だった独占的地位は崩れました。日本でいえば、ヤマトや佐川が台頭してきた時代に近い変化が起きているイメージです。

2. 紙の郵便物の激減
日本で年賀状が減り続けているように、マレーシアでも紙の手紙はほぼ消滅。WhatsAppとメールが当たり前の今、従来の郵便モデルでは収益を生むのが難しくなっています。

3. ネットワーク維持コスト
地方の郵便局は採算が取れなくても社会インフラとして維持しなければならない——これは日本も共通の課題で、マレーシアでは700拠点の維持コストが重くのしかかります。

CEOは前向きなコメント

Charles Bruer(チャールズ・ブルアー)CEOは最新決算で「小包の取扱量は増加傾向にあり、業務効率化も進んでいる」と述べました。Eコマースブームで「荷物を届ける」需要は確かに増えており、全国ネットワークの近代化も着実に前進しているとしています。

赤字脱出の鍵は「手紙を届ける郵便屋」から「ECを支える物流インフラ」への転換を完成できるかどうかにかかっています。

日本人が知っておくべきこと

マレーシアに住む・旅行する日本人にとってPOS Malaysiaは身近な存在です。

  • 日本への国際郵便: POS Malaysia経由で日本に荷物を送れます。ただし配達スピードや追跡精度は日本郵便とは異なるため、大切な荷物はEMS推奨
  • 民間宅配が現実的な選択肢: J&T Express、Ninja Van、Poslaju(ポスラジュ)などのサービスも競争力があり、EC購入品の配送に広く使われています
  • 郵便局の場所: KLシティセンターや大型ショッピングモール(Mid Valley、1 Utama等)内に窓口があり比較的便利
  • 急ぎの荷物: GrabExpressやLalamove(ラーラムーブ)などのオンデマンド配送が迅速で、市内なら当日配送も可能

POS Malaysiaが再び黒字化できるか——マレーシアの物流インフラを左右する重大な問いとして、今後も注目されます。

写真: Bishan Thapa Magar / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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