国民車プロトンが絶好調!EV販売も大躍進

マネー・生活費

マレーシアに住んでいると、街中でよく見かける「PROTON(プロトン)」のロゴ。この国民的自動車ブランドが今、かつてないほどの好調ぶりを見せています。2026年第1四半期(1〜3月)の決算データが公表され、その数字の強さに業界関係者たちも驚いています。

プロトンとは?——「マレーシアのトヨタ」という存在

日本に例えると、プロトンはマレーシアにとっての「トヨタ」のような存在です。1983年に政府主導で設立された国産自動車ブランドで、マレーシア国民の車文化を長年牽引してきた象徴的なメーカー。現在は中国の吉利汽車(Geely)と資本提携し、技術・デザイン両面で急速に進化しています。

項目 プロトン(Proton) 日本でいうと
設立 1983年(政府主導) トヨタ・日産に相当
主要株主 吉利汽車(Geely)49.9%出資 ルノー傘下の日産に近い
主な市場 マレーシア国内が中心 国内主軸の軽自動車メーカー
価格帯 RM4万〜13万(約160〜521万円) 軽自動車〜コンパクトカー

2026年Q1業績:数字で見る「絶好調」

プロトンを傘下に持つ多元資源(DRBHCOM)が発表した2026年第1四半期の業績は、まさに絶好調の一言です。

指標 数値 前年比 日本円換算(1RM≈40.1円・2026年5月22日時点)
税前利益 RM1億9,240万 約2倍 約77億円
純利益 RM4,500万 +1.54倍 約18億円
総営業収益 RM47億6,141万 +15.7% 約1,909億円
自動車部門収益 RM36億2,000万 +19.6% 約1,452億円

特に注目すべきは、純利益が前年同期比で1.54倍という高い伸び率。これは単なる価格改定の恩恵ではなく、実際の販売台数が大幅に増えた結果です。

販売台数40%増!プロトンに何が起きているのか

2026年Q1のプロトン販売台数は4万9,140台。これは前年同期比で40.1%増という驚異的な数字です。

背景には複数の要因があります。

  • 吉利との技術協力によるモデル刷新 — 内装・外装ともに大幅進化し、「国産車なのにスタイリッシュ」と口コミが広がっている
  • 価格競争力 — 同クラスの日本車・韓国車より割安な価格設定を維持
  • 政府の後押し — 国産車への関税優遇政策が引き続き継続中

日本でイメージするなら、かつてやや地味なイメージだったホンダ・フィットがフルモデルチェンジ後に大ヒットしたような状況に近いかもしれません。「安くて古くさい」から「コスパ最強でカッコいい」へのイメージ転換が、販売台数を押し上げています。

最大の注目点:マレーシア最売れのEV「e.MAS 5」

今回の業績で最も注目すべきは、電気自動車(EV)分野です。プロトンのEV「e.MAS 5」が、2026年Q1時点で累計6,701台を販売し、マレーシアで最も売れているEVの座に就いています。

EV 累計販売台数(2026年Q1時点) 価格帯 日本円換算
Proton e.MAS 5 6,701台(最多) RM125,800〜 約504万円〜
BYD各モデル 非公表 RM120,000〜 約481万円〜
Chery(チェリー)系 参入間もない RM100,000〜 約401万円〜

日本では軽EVが200万円台から購入できる時代ですが、マレーシアのEVはまだ「ゆとりのある中間層」向けの価格帯。それでも充電インフラの整備とともに普及ペースは加速しており、クアラルンプール市内のモール(KLCC、Mid Valley、Pavilionなど)では急速充電スポットを見かける機会が増えてきました。

グループ全体の多角化経営

DRBHCOMは自動車だけではありません。マレーシアでも珍しい「自動車×銀行×郵便」の多角化コングロマリット(複合企業)です。日本でいえば、トヨタグループが銀行と日本郵便を傘下に持っているようなイメージ。

部門 主な事業 Q1収益成長率
自動車 プロトン、CTRM航空宇宙システム +19.6%
銀行 Bank Muamalat Malaysia +9.4%
郵便・物流 Pos Malaysia(マレーシア郵便) +7.9%

Pos Malaysia(ポス・マレーシア)でネットショッピングの荷物を受け取った経験のある方も多いと思いますが、あの郵便局もDRBHCOMが運営しています。日常のあらゆる場面でこの企業グループと接点があるわけです。

日本人が知っておくべきこと

🚗 レンタカーを検討しているなら
マレーシアでは依然としてプロトン車のレンタカーが多く流通しています。ハンドルの位置は日本と逆(左ハンドル・右側通行)ですが、車自体のクオリティは年々確実に向上しており、以前の「安かろう悪かろう」イメージは過去のもの。最新モデルは走りも内装も十分満足できる水準です。

🔋 EV充電インフラの現状
KL市内や大型モール周辺には急速充電スポットが増えていますが、地方都市や高速道路のR&R(日本のサービスエリア相当)はまだ整備途上。長距離ドライブにはプラグインHVの方が安心です。

📈 マレーシア経済の底堅さを示す指標
自動車販売が前年比40%増という数字は、単一企業の話を超えて、マレーシアの内需の強さを示しています。在住者にとっては、日常生活の安定感と雇用環境の良さを裏付ける指標として読み解けます。

2026年の残り四半期も、プロトンとDRBHCOMの動向はマレーシア経済を読む上での重要なバロメーターとして注目されます。

写真: Anton Holmgren / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました