マレーシアで車に乗っている日本人の方、車保険を更新するとき「RM10万円分の保険をかけているから、事故に遭ったらRM10万円もらえる」と思っていませんか?
実は、それは必ずしも正しくないのです。
マレーシアの車保険には大きく分けて2つのタイプがあり、どちらを選ぶかによって、事故の際に受け取れる補償額が大きく変わります。今回は「Agreed Value(アグリード・バリュー)」と「Market Value(マーケット・バリュー)」の違いを、日本の保険制度と比較しながらわかりやすく解説します。
2種類の車保険、何が違う?
Market Value(時価型)
Market Value は、事故が起きた時点での車の「市場価値(時価)」に基づいて補償される保険です。
車は購入した瞬間から価値が下がっていきます(これを減価償却といいます)。たとえば購入時にRM100,000(約395万円 ※1)で保険をかけていても、3年後に事故に遭った時点での市場価値がRM70,000(約277万円)に下がっていれば、受け取れる補償はRM70,000だけになります。
「100万円分の保険をかけているはずなのに、70万円しかもらえない……」
これが Market Value の大きな落とし穴です。
Agreed Value(協定額型)
Agreed Value は、保険会社と契約者があらかじめ「この金額で補償する」と合意した金額で補償される保険です。
契約時にRM100,000で合意していれば、ポリシーの条件を満たした場合にRM100,000の補償を受けられる可能性があります(詳細は契約内容による)。減価償却で補償額が目減りしないのが最大のメリットです。
※1 為替レート:1RM=39.5円(2026年6月14日時点)
わかりやすく比べてみると
| 比較項目 | Market Value(時価型) | Agreed Value(協定額型) |
|---|---|---|
| 補償額の決まり方 | 事故時点の市場価値 | 契約時に合意した金額 |
| 時間とともに補償額は? | 下がる(減価償却) | 固定(合意額を維持) |
| 保険料の目安 | 比較的安い | やや高め |
| 古い車への向き | 向いている | あまり向かない |
| 新車・比較的新しい車への向き | リスクがある | 向いている |
具体例で確認
| シナリオ | Market Value | Agreed Value |
|---|---|---|
| 契約時の保険額 | RM 100,000(約395万円) | RM 100,000(約395万円) |
| 3年後の事故時の市場価値 | RM 70,000(約277万円) | — |
| 受け取れる補償額 | RM 70,000(約277万円) | RM 100,000(約395万円)※条件による |
| 差額 | — | RM 30,000(約119万円)の差 |
RM30,000(約119万円)の差は非常に大きいですよね。「どうせ同じだろう」と思って確認せずに契約するのが一番危険です。
日本の自動車保険と比べると
日本にも似た概念があります。
- 日本の自動車保険の「車両保険(時価払い)」は、マレーシアの Market Value に相当します。事故時の時価が基準になるため、古くなるほど補償額は減ります。
- 日本では「新車特約」や「車両価額協定特約」を付けることで、購入から一定期間は新車価格での補償を受けられます。これが Agreed Value に近いイメージです。
ただし、マレーシアではこの2つが最初から別の商品ラインナップとして存在しているため、契約前にどちらのタイプかを必ず確認する必要があります。日本のように「特約を後付け」するイメージよりも、商品選択の段階での判断が重要です。
日本人向けメモ
マレーシアで車を所有・運転している日本人の方向けに、知っておきたいポイントをまとめました。
1. 保険更新の際は必ず種類を確認しましょう
毎年の保険更新時に、自分の保険が Market Value か Agreed Value かを保険代理店に確認しましょう。英語で Is this Market Value or Agreed Value? と一言聞けばOKです。
2. 新車・比較的新しい車は Agreed Value が安心
購入後3〜5年以内の車は、Market Value だと補償額が大きく目減りする可能性があります。Agreed Value の方が安心です。保険料が多少高くなっても、万一のリスクを考えれば元が取れます。
3. 古い車は Market Value も合理的な選択
10年以上経った古い車は、Agreed Value で高い保険料を払うよりも、Market Value で保険料を抑える方がコスパが良い場合もあります。車の状態・使用頻度に応じて判断しましょう。
4. 保険代理店での日本語対応は基本的に難しい
クアラルンプール近郊であれば日系の保険代理店や日系コミュニティの紹介を通じて対応できることもありますが、基本的には英語か中国語での対応になります。わからない点は納得いくまで確認しましょう。
5. 道路税(Road Tax)と同時に更新を忘れずに
マレーシアでは道路税(ロードタックス)と自動車保険は1年ごとに同時更新するのが一般的です。どちらか一方を忘れると罰則の対象になりますので、まとめて手続きしましょう。
まとめ
マレーシアの車保険には、補償の仕組みが異なる2つのタイプがあります。
- Market Value → 事故時の時価で補償(古い車向き・保険料が低め)
- Agreed Value → 合意した金額で補償(新車・比較的新しい車向き・安心感が高い)
「保険料を払っている額=受け取れる補償額」ではない、というのが最大のポイントです。特にマレーシアに来て間もない日本人の方は、この違いを知らないまま契約してしまっていることもあります。次の更新時に、まずは「Market Value か Agreed Value か」を確認することから始めてみてください。
出典: Leesharing の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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