マレーシアで生活していると、「令吉(リンギット)が上がった・下がった」というニュースをよく目にしますよね。でも「それって自分の生活に実際どう関係するの?」とピンとこない方も多いのではないでしょうか。
2026年4月14日、令吉(MYR)が対米ドルで3.957まで上昇し、3月24日以来3週間ぶりの高値を記録しました。前日終値3.9770から約0.5%の上昇です。
現在の令吉クロスレート一覧
| 通貨ペア | レート | 前日比 | 日本円換算(参考) |
|---|---|---|---|
| USD/MYR | 3.9570 | ▼ -0.50%(令吉高) | 1 USD ≈ 159円 |
| SGD/MYR | 3.1116 | ▼ -0.21%(令吉高) | 1 SGD ≈ 125円 |
| CNY/MYR | 0.5805 | ▼ -0.25%(令吉高) | — |
| JPY/MYR | 100円 = 2.4877 RM | ▼ -0.11%(令吉高) | 1 RM ≈ 40.2円 |
| GBP/MYR | 5.3578 | ▲ +0.31%(令吉安) | — |
※2026年4月14日時点。1 RM ≈ 40.2円(2026年4月14日時点の実勢レート)
円に対しても令吉は若干強くなっており、100円で買える令吉がわずかに減った格好です。
なぜ今、令吉が上がったのか
① 米ドルの連続下落
今回の令吉上昇の最大要因は、米ドル自体の弱さです。米ドル指数(DXY)が98.4まで下落し、6営業日連続の下落を記録。これは市場参加者がドルを手放し続けている状態で、米国経済の先行き不安や政策への不信感が背景にあります。
日本でいえば「円高」になる感覚に近く、マレーシアでは今「令吉高」が進んでいます。
② 米イラン平和交渉への期待
米国とイランの交渉進展期待が高まり、中東地政学リスクへの懸念が後退しました。こうした「リスクオフ解除」の流れでは、新興国通貨(令吉もそのひとつ)に資金が戻ってきやすくなります。
③ 原油価格の下落
WTI・ブレント原油がともに1バレル100ドルを割り込みました。マレーシアは石油産出国なので原油安は本来マイナスですが、今回はドル安の押し上げ効果が勝った形です。なおドルと原油はともにドル建て取引のため、ドル安→原油安という連動も起きやすいのが特徴です。
日本円と令吉の性質の違いを知っておこう
日本人には馴染み深い「円」と「令吉」ですが、国際金融市場での性質はかなり異なります。この違いを知っておくと、ニュースの読み方がぐっと変わります。
| 比較項目 | 日本円(JPY) | マレーシア令吉(MYR) |
|---|---|---|
| 通貨の分類 | 安全資産(リスクオフ時に上昇) | 新興国通貨(リスクオン時に上昇) |
| 石油との関係 | 産油国でないため原油高で円安傾向 | 産油国のため原油高で令吉高傾向 |
| 政策金利(目安) | 超低金利(0〜0.5%) | 3.0%(OPR) |
| 米中貿易の影響 | 中程度 | 高い(輸出入の依存度大) |
円と令吉は「逆の動き」をすることも多く、世界が不安定なとき(戦争・金融危機など)は円高・令吉安、世界が安定してリスクを取れる局面では円安・令吉高という傾向があります。日本円の「強さ」は実は「世界が怖がっているサイン」でもあるわけです。
日本人が知っておくべきこと
日本から送金している方(仕送り・生活費補填)
円から令吉に換金する場合、令吉高になると同じ円でも受け取れる令吉が減ります。ただし今回の変動幅(対円で0.11%)は、100万円の送金でも差額が約1,100円程度です。今回のニュース単体での影響は実質ほぼゼロと見て問題ありません。
長期的なトレンドとして、1 RM = 30円台だった時代から現在の40円台まで令吉は強含みで推移しています。定期送金している方は、半年〜1年単位のレート動向を意識しておくといいでしょう。
日本へ送金している方(駐在員・現地採用)
令吉で給与を受け取り、日本の口座に送金する場合は、令吉高になるほど日本円の手取りが増えます。現在のレートは1 RM ≈ 40.2円(2026年4月14日時点)。為替タイミングを多少意識することで、年間数万円の差が出ることもあります。
日本から観光で来る方
令吉高は日本人旅行者にとって若干不利(円の購買力がわずかに下がる)ですが、今回程度の水準では実生活への影響はほぼありません。1 RM ≈ 40円という水準で、屋台のナシレマ(ナシレマ:マレーシアを代表するご飯料理)が RM 3〜5(約120〜200円)、モール内のランチが RM 15〜25(約600〜1,000円)という日本より安い物価感は健在です。
為替チェックに便利なツール
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写真: Merve Nur AK / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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