マレーシアTVET 2.0に500億円!職業訓練が変わる

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マレーシアで「職業訓練」といえば、日本の専門学校や職業訓練校とは少し異なる独自の体系があることを知っていますか?

アンワル・イブラヒム首相がプトラジャヤ広場(Dataran Putrajaya)での「ナショナルTVETデー2026」で、TVET(技術・職業教育訓練)2.0プログラム強化のために5,000万リンギット(約19億9,000万円)の追加資金拠出を発表しました。これは技術系人材を育てる国家戦略の一環で、日本人在住者にとっても無視できない動きです。


TVET 2.0とは?日本の制度と比べると

TVETとは「Technical and Vocational Education and Training」の略で、直訳すると「技術・職業教育訓練」。日本でいう専門学校+職業訓練校+高等専門学校を合わせたようなものです。

比較項目 マレーシアのTVET 日本の類似制度
対象年齢 16歳〜成人 18歳〜(専門学校)、成人(職業訓練)
運営主体 政府・産業界共同 厚生労働省・各都道府県
期間 6ヶ月〜2年 1〜3年
資金援助 PTPK(技能開発基金公社)ローン 教育訓練給付金
分野 製造・IT・建設・観光など9分野 多様(IT・医療・建設など)
社会的評価 「高等教育の代替」として普及中 「大学に行けなかった人向け」のイメージが残る

日本でも「専門学校」はありますが、大学進学が王道とされる文化が根強いですよね。マレーシアも以前は同じ状況でした。しかし近年、政府は「TVET Pilihan Utama Kerjaya(TVETは未来のキャリアの第一選択肢)」というスローガンを掲げ、職業訓練のブランドイメージを刷新しようとしています。


今回の5,000万リンギット、何に使われるの?

今回の資金はPTPK(技能開発基金公社 / Perbadanan Tabung Pembangunan Kemahiran)の「高インパクトプログラム基金」から拠出されます。

主な用途は以下の3つです:

  1. TVET 2.0プログラムの実施強化 — カリキュラムのアップデートと品質向上
  2. 訓練プログラムの拡大 — より多くの分野・地域での受講機会確保
  3. 産業界への露出機会の増加 — 企業インターンシップや実践型研修の拡充

107機関が集結した「ナショナルTVETデー」

今年のナショナルTVETデー2026には、政府機関・教育機関・産業プレイヤー合わせて107以上の組織が参加。以下の9つの主要分野から企業・機関が集まりました。

分野 代表的なスキル
製造業 機械操作・品質管理
情報通信技術(ICT) プログラミング・ネットワーク管理
建設・不動産 施工管理・配管・電気工事
観光・ホスピタリティ ホテル運営・調理
農業・農業技術 スマート農業・食品加工
クリエイティブ産業 デザイン・映像制作
医療・介護 医療補助・ケアワーク
物流・輸送 ドライバー・倉庫管理
エネルギー・環境 再生可能エネルギー設備

なぜ今、マレーシアは職業訓練に力を入れるのか

マレーシアの失業率は低いものの、製造業・IT・建設業では熟練労働者不足が深刻な課題です。外国人労働者に頼る構造を変えるため、国内人材のスキルアップが急務となっています。

日本が1990年代のバブル崩壊後に「ものづくり人材の育成」に力を入れたように、マレーシアも今まさに「製造業4.0時代の職人」を国内で育てようとしているのです。政府・雇用主・産業界の三者協力を特に強調しているのも、学校教育だけで完結させない「現場直結型」の人材育成を目指しているから。


日本人が知っておくべきこと

在住者・ビジネスマン向け:

  • 採用に影響する:TVETプログラム強化により、今後数年で製造・IT・ホスピタリティ分野の現地人材の質が向上する見込みです。現地採用を考えている日系企業にとってはプラスの動き。

  • 日本人の子どもへの選択肢:マレーシアに長期在住する日本人家庭では、大学進学だけでなくTVET経由でのIT・デザイン分野への就職ルートも現実的な選択肢になってきています。

  • PTPKローンは外国人に適用外:残念ながら、この基金のローン制度はマレーシア国民・永住権保持者向けです。短期在住の日本人が直接受益するものではありませんが、マレーシアの人材市場の底上げとして中長期的に恩恵があります。

  • 進捗はMyTVETポータルで確認:マレーシア政府の公式TVETポータル(myTVET)では各機関の認定プログラム一覧が確認できます。


「大学じゃなくても、手に職をつけて稼げる社会」を目指すマレーシアの姿勢は、日本の若者問題とも重なる部分があって興味深いですよね。今後、TVETプログラムを修了した人材がマレーシアの職場でどう活躍するか、注目していきたいところです。

写真: Muhammad Faiz Zulkeflee / Unsplash

出典: Varnam の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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