マレーシアで投資をされている方、あるいは投資を検討している日本人の方なら、バーサ・マレーシア(Bursa Malaysia)という名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。日本でいう東京証券取引所(東証)にあたる、マレーシアの証券取引所です。
2026年上半期(H1)の決算が発表され、コア純利益は市場予想のわずか50%にとどまりました。さらに下半期(H2)はより厳しい展開が予想されるとのことで、在マレーシアの投資家にとって無視できない局面に入っています。
2026年上半期——売上は伸びたのに利益は半分?
一見矛盾するようですが、売買代金収益は前年同期比20.7%増と好調でした。それでも純利益が予想を大きく下回った背景には、コスト増加や市場の不安定さが影響しています。
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| コア純利益 | RM 1億4,460万(約56億2,000万円) | 市場予想の50% |
| 売買代金収益 | 前年同期比 +20.7% | 総収益の63%を占める |
| 上半期 1日平均売買代金(ADV) | RM 35億(約1,361億円) | 比較的高水準を維持 |
7月以降、売買代金が急減
問題は下半期に入ってからの急失速です。7月の1日平均売買代金(ADV)はRM 30億(約1,167億円)を割り込み、上半期の水準から大きく落ち込みました。
分析各社の下半期ADV予測は以下の通りです。
| 時期 | ADV | 前期比 |
|---|---|---|
| 上半期(H1)実績 | RM 35億(約1,361億円) | — |
| 7月速報 | RM 30億未満(約1,167億円未満) | ▼14%超 |
| 下半期(H2)予測 | RM 26億5,000万(約1,031億円) | ▼24%超 |
日本の東証プライムでは1日数兆円規模の売買があることと比べると規模の違いを感じますが、マレーシア市場においてこの水準の落ち込みは投資家心理の悪化を示す重要シグナルです。
アナリストの見方は割れている
バーサ株(バーサ・マレーシア自社株)に対する評価はアナリストによって分かれています。
| 証券会社 | 目標株価 | 日本円換算 | レーティング |
|---|---|---|---|
| メイバンク証券 | RM 8.65 | 約336円 | ホールド(Hold) |
| ホンレオン証券 | RM 9.85 | 約383円 | 買い(Buy) |
現在のPER(株価収益率)は2026〜2027年予測ベースで25倍。バーサ株の10年平均PERである22.6倍を上回っており、割高感を指摘する声もあります。
下半期を暗くする2つのリスク
1. 選挙による不透明感
マレーシアは州選挙・補欠選挙が重なる可能性があり、政治的不確実性が投資家の手控えにつながります。日本でも衆議院選挙前後に個人投資家が様子見をするのと似た現象です。
2. 中東情勢の緊張
マレーシアは産油国であるため、中東の地政学リスクは原油価格を通じてリンギットや株式市場に直結します。世界的にリスクオフムードが強まると、新興国市場から資金が引き揚げられる傾向があります。
日本人向けメモ
- 証券口座開設: メイバンク・インベストメント(Maybank Investment)やCIMBセキュリティーズなど主要証券会社が英語対応
- キャピタルゲイン税: マレーシアは株式売買益への課税がない(2024年以降、一定の条件は確認要)。日本の20.315%課税と大きく異なる点が、在住者に人気の理由のひとつ
- 為替リスク: リンギット建て資産はRM/JPYの変動リスクあり。1RM=38.9円(2026年8月1日時点)
- ADVの見方: ADVが下がると市場の流動性が低下し、株価の値振れが大きくなりやすい。売買タイミングには注意を
市場が不安定な時期こそ、焦らず情報を集めて判断することが大切です。投資は自己責任で、最新の市場情報を確認しながら行いましょう。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


コメント