マレーシア中央銀行が金購入で世界4位に

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マレーシアの中央銀行(バンク・ネガラ・マレーシア、BNM)が、金(ゴールド)の購入量で世界第4位にランクインしたことをご存知でしたか?

2026年のデータによると、マレーシアは約5トンの金を新たに購入し、ポーランド・ウズベキスタン・カザフスタンに次ぐ第4位を記録しました。今、世界の中央銀行の間で金の積み増しが急加速しています。その背景とマレーシア経済への意味を詳しく解説します。

世界の金購入ランキング(2026年)

順位 購入量 背景
1位 ポーランド 🇵🇱 20.2トン 長期NATO戦略・700トン目標
2位 ウズベキスタン 🇺🇿 16.5トン 資源国として金を戦略的に重視
3位 カザフスタン 🇰🇿 6.5トン 中央アジアの安全資産積み増し
4位 マレーシア 🇲🇾 5.0トン 地政学リスクへの備え
5位 チェコ 🇨🇿 3.4トン EU域内での安全資産確保

一方で、金を売却した国も注目されます。

世界の金売却ランキング(2026年)

順位 売却量 背景
1位 ロシア 🇷🇺 15.6トン 経済制裁への対応
2位 トルコ 🇹🇷 8.1トン インフレ・財政需要への対応
3位 ブルガリア 🇧🇬 1.9トン
4位 キルギスタン 🇰🇬 1.1トン
5位 ベラルーシ 🇧🇾 0.1トン

なぜ今、金が注目されているのか?

その転換点は2022年にあります。

ロシアがウクライナに侵攻した際、欧米諸国はロシアの外貨準備(ドルやユーロ建て資産)を凍結・没収しました。これは世界の中央銀行にとって衝撃的な出来事でした。「外貨を持っていても、地政学的な理由で使えなくなる」——この現実が、金への回帰を一気に加速させたのです。

金は実物資産であり、他国の政策に依存せず、誰にも「凍結」されません。日本でいうタンス預金の国家版と考えると分かりやすいですね。ただし規模は何十トン単位です。

マレーシア、中国、中央アジア諸国はいずれも、ドル建て外貨準備への依存リスクを強く意識しており、金を「地政学的に安全な資産」として位置づけています。

日本との比較:日銀の金準備

日本銀行と比べると、両国のスタンスの違いがよく見えます。

項目 日本(日銀) マレーシア(BNM)
金準備量(参考) 約845トン 約38.9トン
外貨準備に占める金の割合 約4% 約4〜5%
近年の積み増し方針 ほぼ変化なし 積極的に拡大中
主な外貨準備 米ドル建て資産 米ドル建て資産

日本は戦後から米ドル建て資産を中心に外貨準備を築いてきたため、金の比率は低め。一方マレーシアは新興国・中央アジア諸国と足並みをそろえ、「非ドル化」の流れを着実に強めています。

マレーシアが金を積み増す3つの理由

① 地政学リスクのヘッジ
米中対立やウクライナ危機など、国際情勢の不確実性が増す中、実物資産としての金は国家の「保険」として機能します。

② 中国・中央アジアとの連携
マレーシアは中国と同様に、ドル一極依存からの脱却を模索している国のひとつ。ASEANの中でも独自の外交・金融路線を歩んでいます。

③ ポーランドが示す「長期戦略」
1位のポーランドは金準備を700トンまで増やす長期計画を持っています。NATO加盟国であっても有事に備え金を積む——この動きは世界的な「安全資産回帰」の象徴です。

日本人が知っておくべきこと

マレーシアに住む・投資する日本人にとって、中央銀行の金購入増にはどんな意味があるでしょうか。

リンギット(RM)の信認に関わる
外貨準備の質が上がると、通貨の安定感が増す傾向があります。リンギット安定はマレーシアで生活する日本人にとって直接的なメリットです。

マレーシアは地政学的に「中立」を目指している
米中どちらにも過度に依存せず、独自路線を歩もうとしているマレーシアの姿勢が、この金購入にも表れています。

国内でも金投資が身近
マレーシアでは、Maybank Gold InvestmentやPublic Goldなどで実物金(Gold Bar)の購入が一般市民にも開かれています。中央銀行の動きが国民の金投資意識を高めることにも繋がりそうです。


世界で今、「金を持つことの意味」が根本から問い直されています。マレーシアが世界4位の購入国としてその流れに乗っていることは、この国の金融政策の成熟を示すひとつの証しといえるでしょう。

写真: Scottsdale Mint / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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