マレーシアで「データセンター建設ラッシュ」が続いています。2026年4月、地元の電力インフラ企業・MNホールディングス(ACE市場上場)の子会社が、マレー半島中部の大型データセンター向けに約2億7,590万RM(約110億9,118万円)という大型電力インフラ契約を獲得しました。
この金額、どのくらいの規模感かピンときますか?日本の大手ゼネコンが手がける地方都市のインフラ整備に近い規模です。それをマレーシアの一企業が受注したという事実が、いかにこの国でデータセンター投資が過熱しているかを物語っています。
なぜ今、マレーシアにデータセンターが集中するのか
マレーシアがAI時代のデータセンター立地として世界から注目を集めている理由は複数あります。
| 理由 | 内容 | 日本との比較 |
|---|---|---|
| 電力コスト | 企業向け電気代がアジア最安水準 | 日本の産業用電力の約1/3〜1/2 |
| 政治的安定性 | 民主主義国家、法制度が整備済み | 日本と同等水準 |
| 地理的優位性 | ASEANの中心、シンガポールに隣接 | 東京が東アジアを押さえるのと似た構図 |
| 英語対応 | 英語が公用語のひとつ | 日本語主体の日本より国際展開しやすい |
| 税制優遇 | データセンター向けの特別税制あり | 日本のデータセンター優遇より手厚い |
特に電力コストの安さはデータセンター運営の生命線です。AIの学習・推論処理は膨大な電力を消費するため、電気代の差が直接コスト競争力に直結します。日本でも千葉・埼玉・大阪周辺で大規模施設整備が進んでいますが、マレーシアではクアラルンプール近郊(セランゴール州・中マレーシア地域)がその役割を担っています。
今回の契約の中身
MNホールディングス傘下の「MNユーティリティーズ・エンジニアリング」が受注したのは、275kV(キロボルト)の「ユーザー接続ステーション」の建設プロジェクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約金額 | RM 275,900,000(約111億円) |
| 工事内容 | 設計・調達・施工・保守・試験・運転開始 |
| 電圧規格 | 275kV超高圧接続ステーション |
| 所在地 | マレー半島中部地域 |
| 完工予定 | 2027年6月30日 |
| 工事フェーズ | 2フェーズ構成 |
275kVというのは、日本の送電網でいえば超高圧送電線クラス。大型データセンターを安定稼働させるには、それだけ大規模な電力インフラが必要ということです。今回の受注は自己資本比率や株式保有構造への影響もなく、将来の業績への貢献が期待されると発表されています。
世界の大手テックが続々とマレーシアへ
Google、Microsoft、AWS(Amazon)といった世界的テック大手がマレーシアへのデータセンター投資を相次いで発表しています。こうした大手の進出が、地元の電力・建設・エンジニアリング企業への発注増加に繋がり、今回のような大型受注が生まれる背景となっています。
マレーシア政府も「デジタル経済立国」を国家戦略に掲げており、データセンターへの投資誘致は引き続き積極的な姿勢を維持しています。
日本人向けメモ
マレーシア株・投資に関心のある方へ: MNホールディングス(MNHLDG)はACE市場(日本のグロース市場に相当するマレーシアの新興・成長企業向け市場)の上場企業です。電力インフラ・データセンター関連企業は今後も成長が期待されるセクターであり、マレーシア株式市場に興味がある方はこの分野の動向を追う価値があります。
在マレーシア日本人の方へ: データセンター建設ラッシュは、IT・電気エンジニアリング・プロジェクトマネジメント分野での雇用機会拡大にも直結しています。マレーシアのデジタル経済は加速の一途をたどっており、この国での中長期的なキャリアや事業展開を考えるうえで、こうした産業トレンドを把握しておくことをおすすめします。
写真: CHUTTERSNAP / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。為替レート: 1RM=40.2円(2026年4月26日時点)


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