マレーシアに住んでいると、新しいビルや工場の屋根にどんどんソーラーパネルが乗っているのを目にする機会が増えていませんか?その太陽光発電ブームを裏側で支える企業のひとつ、Samaiden(サマイデン)集団が2026年6月期の通期決算を発表し、純利益が同社史上最高を記録しました。数字の中身をじっくり読み解いてみましょう。
Samaidenってどんな会社?
Samaidenは、太陽光発電システムの設計・調達・施工(EPC)を手がけるマレーシアの総合エネルギー企業です。工場・商業施設・政府施設への太陽光パネル設置から、マレーシア政府が推進する大規模太陽光プロジェクト(LSS:Large Scale Solar)の受注まで幅広く事業を展開しています。
日本でいえば、太陽光発電に特化したエネルギー系の中堅ゼネコンのような位置づけです。発電した電気を売る「発電会社」ではなく、太陽光設備を「建てる側」の企業であることがポイントです。
2026年通期決算:史上最高の利益を達成
| 指標 | FY2026(通期) | 前年比 | 日本円換算(1RM=39.4円・2026年8月26日時点) |
|---|---|---|---|
| 純利益 | RM3,907万 | +93.3% | 約15.4億円 |
| 売上高 | RM3億6,450万 | +3.0% | 約143.6億円 |
| 第4四半期純利益 | RM1,476万 | +100% | 約5.8億円 |
| 受注残高 | RM4億3,580万 | — | 約171.7億円 |
純利益が前年比で約2倍(+93.3%)に跳ね上がり、創業以来の最高益を更新しました。売上高は3%増とおだやかな伸びでしたが、コスト管理と利益率改善が利益を大きく押し上げています。
第4四半期(2026年4〜6月)単体では、売上高は前年同期比21.6%の減少でした。しかし前四半期比では55.8%もの大幅増と、LSS5(第5次大規模太陽光発電プロジェクト)の工事加速が後半に利いた形です。
日本の太陽光市場と比べてみると
日本では固定価格買取制度(FIT)がピークを過ぎ、太陽光発電市場は成熟・転換期に入りつつあります。一方マレーシアでは今まさに成長期——政府が2035年までに再生可能エネルギー比率70%を目指し、LSSプロジェクトを次々と打ち出しています。
| 比較項目 | 日本 | マレーシア |
|---|---|---|
| 市場フェーズ | 成熟・転換期 | 急成長期 |
| 政府施策 | FIT→FIP移行 | LSS拡大・CRESS導入 |
| 日照条件 | 地域差が大きい | 年間を通じて安定 |
| 企業PPAの普及 | 徐々に拡大 | 急速拡大中 |
マレーシアは赤道に近く、季節による日照のばらつきが少ないため、太陽光発電の発電効率が年間を通じて安定しています。「夏は多く発電できるが冬は少ない」という日本の事情と違い、事業計画を立てやすい環境です。
今後の成長を支える3つのキードライバー
LSS6(第6次大規模太陽光)+BESS
マレーシア政府が推進する大規模太陽光プロジェクトの第6弾。今回のLSS6からはBESS(蓄電池エネルギー貯蔵システム)が組み込まれる予定です。太陽光パネルと大型蓄電池を組み合わせることで、夜間や曇りの日も安定した電力供給が可能になります。日本でも蓄電池併設型の太陽光発電が普及し始めていますが、マレーシアでも同じ流れが来ています。
CRESS(企業向け再生可能エネルギー供給スキーム)
企業が政府系電力会社(TNB)を通じて再生可能エネルギーを直接調達できる制度です。マレーシアに工場や事業所を持つ日系企業も対象になりうるため、注目度が高まっています。サプライヤーとしてのSamaidenには大きな追い風です。
海外展開
マレーシア国内にとどまらず、周辺アジア諸国への再エネプロジェクト展開も視野に入れており、成長余地はさらに大きい状況です。
配当情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1株あたり配当 | 1セン(約0.39円) |
| 権利落ち日 | 2026年9月18日 |
| 配当支払日 | 2026年10月7日 |
配当額は小さめですが、これは利益を積極的に再投資している成長段階の企業に多い特徴です。受注残高RM4億3,580万(約171.7億円)という数字が、今後1〜2年の売上の裏付けになっています。
日本人が知っておくべきこと
マレーシア在住の方へ
– CRESSが普及すると、賃貸マンションや商業施設に太陽光パネルが増え、電気代の安い物件や施設が増える可能性があります
– 日系製造業では、取引先から再エネ調達を求められるケースが増えており、CRESSはその有力な選択肢になります
– 個人宅への太陽光パネル設置補助(NEM:Net Energy Metering)も別途あり、長期在住なら検討価値があります
マレーシア株に関心のある方へ
– SamaidenはBursa Malaysia(クアラルンプール証券取引所)に上場
– 投資判断は必ずご自身で行い、最新の財務情報・アナリストレポートをご確認ください
– マレーシア株の配当は通常、源泉徴収なし(シングルティア税制)で受け取れる点も特徴です
マレーシアの街を走っていると、工場屋根・ショッピングモール・駐車場の屋根にソーラーパネルが次々と取り付けられているのが目に入ります。その1枚1枚の裏側にSamaidenのような企業の仕事があると思うと、マレーシアのエネルギー転換がいかに現実のものになっているかが実感できますね。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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