マレーシアに住んでいると、街のあちこちで「コピ(Kopi)」を楽しむ人たちを見かけますよね。そのマレーシア独自のコーヒー文化を体現するブランドが、今、アジアを超えて世界へ羽ばたこうとしています。マレーシアの上場F&B企業「华阳ダイニング(Hwa Yang Dining)」が、インドネシアとアフリカのモーリシャスへの本格進出を発表しました。
华阳(Hwa Yang)ってどんなブランド?
华阳ダイニングは、マレーシアの華人系コーヒーチェーンとして知られ、ブルサマレーシアのAceマーケットに「KOPI(0338)」として上場している企業です。アイポー(Ipoh)発祥の白咖啡(ハクカフェイ/ホワイトコーヒー)をはじめ、マレーシアらしい朝食・軽食メニューを提供するカジュアルダイニングを展開しています。
白咖啡って何? という方のために説明すると——白咖啡とは、コーヒー豆をバターや砂糖を加えずに低温ローストし、加糖練乳で割るマレーシア独自のコーヒースタイルです。日本でいえば、京都の老舗喫茶店が守り続けてきた「ブレンドコーヒー文化」に近い、地域に根ざした一杯。酸味が少なく、まろやかな甘さが特徴で、マレーシア人の朝食に欠かせない飲み物です。
インドネシア進出:地元財閥との合弁
2026年8月、华阳はインドネシア最大級の財閥・Erajaya Groupの子会社「PT Era Boga Nusantara(EBN)」と合弁会社を設立すると発表しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合弁パートナー | Erajaya Group傘下 PT Era Boga Nusantara(EBN) |
| 株式比率 | EBN 60%・华阳 International Coffee 40% |
| 第1号店 | 西ジャカルタ・Central Park Mall内 |
| 開店予定 | 2026年12月末 |
| 主な戦略 | ハラール認証取得+パッケージ商品(インスタント白咖啡・カヤ)も投入 |
Erajaya Groupといえば、インドネシアでiPhoneの正規販売店「iBox」を運営するなど、家電・テック流通で知られる大手財閥です。食品業界への参入にあたり、マレーシアのF&Bノウハウを持つ华阳との協業を選んだ形です。
日本でいえば、ソフトバンクや伊藤忠などの大手が東南アジアの飲食チェーンと組んで日本市場に参入するようなイメージ——現地の流通力・ネットワークを持つパートナーと組み、リスクを分散する戦略です。
モーリシャスへはフランチャイズ展開
インドネシアとは別に、アフリカ東部・インド洋に浮かぶ島国モーリシャスへはフランチャイズ方式で進出します。現地の「Coffee Time」社と独占フランチャイズ契約を締結し、出店・運営の権利を付与します。
| 進出先 | 方式 | 华阳の資本負担 |
|---|---|---|
| インドネシア | 合弁会社(JV) | あり(40%出資) |
| モーリシャス | フランチャイズ | なし(ブランド・ノウハウ提供のみ) |
アセットライト戦略:少ない資本で素早く世界へ
华阳が掲げる海外戦略のキーワードが「アセットライト(資産を軽く持つ)」。店舗設備・不動産・人材をすべて自社で抱えるのではなく、現地パートナーに任せることで、少ない資本で多くの市場を素早くカバーします。
日本企業でいえば、吉野家やモスバーガーが海外展開でフランチャイズを活用してきた手法と全く同じ考え方です。自社で全額投資するより、現地知識を持つパートナーが運営することで、失敗リスクを抑えながら効率よく展開できます。松屋がタイや台湾でフランチャイズを使って店舗を増やしてきたのも同じ発想ですね。
また、インスタント白咖啡やカヤ(ヤシジャムのスプレッド、日本でいう小倉あんのような国民的スプレッド)などのパッケージ商品もインドネシア市場に投入する計画は、店舗展開と並行して「マレーシアの味」を日常消費財として根付かせる布石です。
マレーシアのコーヒー文化が世界基準になる日
マレーシアの白咖啡は、ペナン島のアッサムラクサや肉骨茶(バクテー)と並ぶ「マレーシアを代表するグルメ」として、世界的に認知度が高まっています。日本でも輸入食品店でマレーシア産インスタントコーヒーが並ぶようになり、マレーシアフードの海外需要は確実に伸びています。
インドネシアはイスラム教徒が人口の約87%を占めるため、ハラール認証の取得は必須条件。ここがポイントで、ハラール認証のノウハウをすでに持つマレーシア企業は、イスラム圏への進出において大きなアドバンテージを持っています。
日本人向けメモ
- 店舗はどこで? 現在は主にマレーシア国内。クアラルンプール、ペタリンジャヤ、ジョホールバル等に展開中です。「0338」の看板が目印。
- 白咖啡をまず試したい方へ: Lotus’sやAEONなどのスーパーでインスタント白咖啡(Old Town、Superブランド等、RM5〜10前後)を購入するのが手軽です。
- ジャカルタ旅行・在住者へ: 2026年末以降、Central Park Mall(西ジャカルタ)でHwa Yangが利用できる予定です。マレーシア気分を現地で楽しめるかもしれません。
- 投資に関心がある方へ: 华阳はブルサマレーシアのAceマーケットに「KOPI(0338)」として上場。今回の海外進出発表は株価にも影響しうる重要材料のひとつです。投資は自己責任でご判断ください。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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