マレーシアに住んでいると、給油のたびに「今週のRON95の値段は?」と気になりますよね。でも、そもそも「ガソリンはちゃんと供給されるの?」という根本的な不安を感じたことはありませんか?
2026年4月、マレーシア政府とペトロナス(Petronas、国営石油会社)が連携し、少なくとも2026年5月末まで石油・ガスの安定供給を確保すると発表しました。日本でいえば、資源エネルギー庁とJXTGエネルギーが「今年の夏まで灯油・ガソリンの供給は問題ない」と宣言するようなイメージです。
ペトロナスとは?——日本でいうJERA+ENEOSのような存在
ペトロナスは1974年に設立されたマレーシアの国営石油会社で、マレーシアの石油・天然ガス資源の開発から精製・販売まで一手に担っています。日本に例えるなら、東京電力の燃料調達部門(JERA)と石油元売り大手(ENEOS)を合わせたような存在です。
マレーシア政府の財政収入の約20〜25%をペトロナスが支えており、RON95(一般ガソリン)やディーゼルの補助金もここから拠出されています。つまり、ペトロナスの経営状態は国民の日常生活に直結しているのです。
今回の発表のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象期間 | 〜2026年5月末 |
| 確保されるもの | 石油・天然ガスの安定供給 |
| 発言者 | アンワル・イブラヒム首相(Datuk Seri Anwar Ibrahim) |
| 首相のコメント | 「ペトロナスの計画は国民と国にとって非常に有益」 |
| 設置された組織 | 国家経済行動評議会(NEAC)——エネルギー安全保障・経済課題に特化 |
| 対策内容 | 閣議・専門委員会による燃料使用状況のモニタリング、消費抑制プログラム |
首相が直接「ペトロナスの計画は助かる」とコメントしたのは注目点で、政府とペトロナスが同じ方向を向いて動いていることを示しています。
なぜ今、こういう発表が必要なのか?
背景には中東情勢の不安定化や、グローバルなエネルギー価格の変動があります。マレーシア自身は産油国ですが、精製能力や供給ルートには限りがあります。
日本も2022年のウクライナ侵攻後にエネルギー安全保障の重要性を痛感しましたが、マレーシアも同様です。RON95の燃料補助金は低・中所得者層の生活を支える政策の根幹であるため、供給が途絶えるとガソリンスタンドに行列ができるような事態になりかねません。
今回の発表は、そういった不安を先手で打ち消す「安心メッセージ」の側面が強いと言えます。
マレーシアのエネルギー政策の特徴——日本との比較
| 比較項目 | マレーシア | 日本 |
|---|---|---|
| 石油埋蔵量 | 国内産あり(ただし減少傾向) | ほぼなし(輸入依存) |
| ガソリン補助金 | RON95に価格上限補助 | なし(市場価格) |
| 国営エネルギー企業 | ペトロナス(財政の柱) | なし(民営化済み) |
| エネルギー安全保障機関 | 国家経済行動評議会(NEAC) | 資源エネルギー庁 |
| 電力構成 | 天然ガス50%・石炭35% | LNG30%・石炭30%・再エネ20% |
マレーシアは産油国のため、日本と比べてエネルギーコストが低く抑えられています。それがRON95の低価格(現在RM2.05/L、約81円/L)につながっているわけです。
日本人が知っておくべきこと
在住者・長期滞在者向け
- 今すぐ慌てる必要はない: 政府が安定供給を保証しているため、ガソリンを大量に買い溜めする必要はありません。
- RON95の補助金は外国人には適用されない: 外国人(PR以外)はRON95を購入できますが、将来的に補助金対象から除外される可能性があります。RON97(無補助、RM5.15前後)への切り替えを検討しておくと安心です。
- 家庭用ガスも安定供給: LPGガスボンベ(SIRIM認定品)やピペッド天然ガスも供給体制に含まれています。
- 電力への影響: マレーシアの発電は天然ガスに大きく依存しているため、エネルギー安定供給は電気代の安定にも直結します。
短期旅行者向け
- 5月末まではガソリンスタンドで燃料不足になる可能性は低いため、レンタカー旅行の計画も安心して進められます。
エネルギー問題は「遠い話」に聞こえがちですが、マレーシアでは毎週のガソリン価格が生活費に直結します。ペトロナスと政府が協力して安定供給に動いている今、在住者としてはモニタリングを続けながら、長期的なエネルギーシフトの動向にも注目したいですね。
写真: Matt Boitor / Unsplash
出典: Varnam の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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