RON95補助金は今後も続く?マレーシアの燃料政策を解説

マネー・生活費

マレーシアで生活していると、ガソリンスタンドでの給油が日本より格段に安いことに驚く方も多いのではないでしょうか。その安さを支えているのが、政府によるRON95(ガソリン)への補助金制度です。しかし今、その制度が岐路に立たされています。

RON95補助金とは?現在の価格

RON95はマレーシアで最も一般的なガソリンで、現在1リットルあたりRM1.99(約79円)に固定されています。これは政府が差額を補填することで実現している価格です。

燃料種別 マレーシア価格 日本円換算 参考:日本の価格帯
RON95(レギュラー相当) RM1.99/L 約79円/L 170〜180円/L
RON97(ハイオク相当) RM4.14/L 約165円/L 180〜190円/L
ディーゼル RM2.15/L 約86円/L 150〜160円/L

※1RM=39.9円(2026年3月29日時点)

日本では補助金があっても170円前後するレギュラーガソリンが、マレーシアでは約79円という半額以下の価格です。これがいかに手厚い補助かがわかります。

補助金支出は5年で6倍に膨張

問題の核心は財政的な持続可能性です。政府の月間補助金支出は、以前のRM7億(約279億円)からRM40億(約1,596億円)へと、約6倍にまで膨らんでいます。

中東(西アジア)情勢の緊張、原油市場の不安定化が主な要因です。マレーシアは産油国でありながら、国内需要を賄うために原油を輸入しています。つまり、国際原油価格が上がれば、補助金の負担も直撃するという構造です。

ペトロナス(国営石油会社)の利益をそのまま補助金に回すことも、財政構造上は難しいとされています。

日本との補助金制度の違い

比較項目 マレーシア 日本
補助の仕組み 価格上限を設定・差額を国が補填 激変緩和措置として補助金を石油元売りへ支給
対象 RON95・ディーゼル(外国人はRON95対象外) レギュラー・軽油など全般
価格変動 原則週次で政府が決定 市場価格に連動(補助金で抑制)
財源 国家予算・ペトロナス配当 国家予算

日本も2022年以降に燃料補助金を導入しましたが、あくまで「激変緩和」の一時措置として設計されています。マレーシアの補助金制度は長年にわたり、国民の生活インフラとして定着している点が大きく異なります。

政府が発するシグナルとは

マハディール首相は、中東情勢に関する特別ブリーフィングを州首相や政党指導者と行う方針を示しています。補助金削減のような大きな政策転換には、国民的な合意形成が必要なためです。

政府の現時点でのスタンスは「今すぐ廃止ではないが、状況次第では政策調整が必要」というものです。段階的な削減や、所得に応じた対象者絞り込み(ターゲット補助金化)が選択肢として検討されています。

実際、2024年にRON97の価格統制が廃止され、外国人ドライバーへのRON95補給制限も一部地域で実施されており、段階的な改革はすでに始まっています。

日本人在住者が知っておくべきこと

  • RON95は現時点で日本人も利用可能ですが、国境付近ではパスポート確認による制限が実施されています。クアラルンプール市内では現状は問題なし。
  • 給油価格は毎週火曜日夜に発表されます。価格変更前に満タンにする「給油ダッシュ」はマレーシアでは定番の文化です。
  • 補助金削減が実施された場合、物価への波及効果(GrabFood(配車・デリバリーアプリ)の送料、食材の輸送コスト)も想定されます。
  • 最新価格は「Ron95 price Malaysia」でGoogle検索か、MyLitresPaultan.orgで確認できます。

補助金は「あって当たり前」の社会インフラでしたが、グローバルな原油市場の変動は国境を超えます。マレーシア在住の日本人としても、この動向は家計に直結する重要なニュースとして注目しておきたいところです。

写真: G3meaux UWU / Unsplash

出典: Varnam の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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