旧正月が近づくと、マレーシアでは至るところで「紅包(ang pau / ホンバオ)」が飛び交います。日本のお年玉袋にあたるこの赤い封筒、実はデザインにこだわる人が多く、毎年各銀行が競うようにオリジナルデザインを発表するのが恒例行事になっています。
2026年の馬年(午年)、マレーシアの銀行各行が発表した紅包デザインが話題を集めました。日本でいえば、銀行や百貨店が年賀状のデザインを競うような感覚に近いかもしれません——ただし、実際にお金を入れて贈るので、より実用的でもあります。
2026年馬年・銀行別紅包デザイン一覧
| 銀行 | デザイン名 | モチーフ | カラー | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| RHB Bank | 凤凰展翅(鳳凰の舞) | 鳳凰・牡丹 | 鮮やかな赤 / 深紅の2種 | 烫金(型押し金)牡丹が入った豪華仕様 |
| Citi Bank | 马到成功(馬の勝利) | 馬・花模様 | ソフトピンク / 深紅 | 透かし彫り細工の中に馬と隠れた花柄 |
| Deutsche Bank | 骏马奔腾(駿馬疾走) | 馬・山水画 | 赤に金の山と松 | 伝統的な中国山水画と馬を融合 |
| UOB Bank | 根深叶茂(深い根、豊かな葉) | 老松 | 金 / 赤の2種 | 安定した富の成長・長寿を象徴 |
| OCBC Bank | 4種花卉シリーズ | 桃・花・金・紅 | クラシック書画風 | 毛筆画スタイルで縁起物を4パターン展開 |
| Boost Bank | デジタルお正月 | 提灯・吉祥雲 | 赤・金・茶 | カートゥーン風でデジタルバンクらしい親しみやすさ |
紅包に込められた「縁起の意味」を深読みする
日本のお年玉袋のデザインは干支や季節の花が多いですが、マレーシアの紅包にはより深い縁起の意味(吉祥寓意)が込められています。
- 鳳凰(フォンファン):高貴さと繁栄の象徴。日本でいえば鶴に近い存在
- 牡丹:富と幸運の花。日本では「花の女王」として親しまれる牡丹と共通
- 老松(ラオソン):UOBの「根深叶茂」は、老松の深い根が「揺るがない財産の土台」を意味する。日本の松竹梅の「松」と同様、長寿・不変の象徴
- 馬(うま):2026年は馬年。「马到成功(うまくいく=馬が来れば成功)」という言葉をかけた縁起担ぎ
- 提灯・吉祥雲:Boost Bankのデザインはデジタルバンクらしくポップだが、提灯は光明・希望、吉祥雲は幸運の到来を意味する
銀行紅包の「収集文化」について
マレーシアでは、銀行の紅包をコレクターズアイテムとして集める人も少なくありません。日本のコンビニ限定スイーツやスタバの季節カップ収集に近い熱狂があります。
特にOCBCの4種セットや、RHBの2色展開は「全種コンプリート」を目指すコレクターを意識した設計です。銀行によっては口座を持つ顧客にのみ配布されるため、旧正月前に特定の銀行に口座を開く人もいるほど。
日本人向けメモ
紅包とは?
旧正月(春節)に既婚者・目上の人から子どもや未婚の若者へ現金を贈る習慣です。日本のお年玉と仕組みは似ていますが、マレーシアでは職場の上司から部下への贈り物や、レストランでの縁起担ぎにも使われます。
金額の相場は?
一般的には RM10〜RM50(約330〜1,650円)が目安。親しい関係者や子どもが多い家族への金額は上がることもあります。
銀行紅包はどこでもらえる?
基本的には各銀行の支店窓口でもらえます(口座保有者向け)。一部は旧正月のキャンペーン期間中に買い物センターでの配布イベントも。
在住日本人がマレーシア人の同僚・友人に紅包を渡す場合
金額よりも「気持ちを示す」ことが大切です。RM10〜RM20(330〜660円)でも十分。赤い封筒さえあれば、スーパーやショッピングモールで購入できます(AEON、Lotus’sなどで旧正月前に大量陳列されます)。
偶数金額がマナー
紅包に入れる金額は偶数が基本(幸運が2倍という意味)。4(「死」に近い発音)は避けるのが無難です。
写真: Jordan Ling / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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