マレーシアで資産運用を考えている日本人のみなさん、市場が揺れ続けるなか「どこに投資すればいいの?」と頭を抱えていませんか?
HSBCプライベートバンクが2026年第3四半期の投資見通しを発表し、注目すべき3つの大テーマと「成長株が価値株を上回る」という明確な見解を示しました。マレーシア在住の日本人にも無関係ではない内容をまとめます。
市場の不安定さは「新常態」へ
HSBCが最初に強調するのは、市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)は一時的ではなく、今後の「普通の状態」になるという見通しです。
日本でも日経平均が1日で数百円動くことが増えましたが、グローバル市場ではその傾向がさらに顕著。地政学リスク、AIによる産業構造の転換、主要国の政策変更が重なり、「静かな市場」はもはや過去のものになりつつあります。
HSBCが注目する3大テーマ
| テーマ | 具体的な内容 | 日本でいうと |
|---|---|---|
| AI(人工知能) | 半導体・データセンター・AIアプリ企業が中心。ソフトウェア株の評価調整後も投資妙味あり | エヌビディア株・東京エレクトロンが脚光を浴びるのと同じ流れ |
| エネルギー自立 | 地政学変化が電化・電力網整備を世界規模で加速 | 日本の再エネ政策拡大に似るが、より国防・安全保障と一体化 |
| セキュリティ | サイバー、防衛、食料・エネルギー安全保障が一体の投資テーマに | 日本の防衛費増額論議と連動する世界的なトレンド |
成長株 vs 価値株、HSBCはどちらを選ぶ?
HSBCは「成長株(グロース株)が価値株(バリュー株)より有望」という立場をとっています。
日本でわかりやすく例えるなら——
- 価値株(バリュー株) = 老舗製造業や大手銀行株。PBR1倍以下で割安感はあるが、成長力に乏しい
- 成長株(グロース株) = AI・半導体・ITプラットフォーム株。現在の利益より将来の爆発的成長を評価
かつては「割安株を買って持つ」が王道でしたが、イノベーション投資が世界の資金移動を決める時代には、成長企業のほうが資金を集めやすい構造に変わっています。特にHSBCが注目するのは、ソフトウェア株の評価調整(割高感の解消)後も底力を保つ半導体・データセンター・AIアプリ企業です。
マレーシア経済の現在地
| 指標 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 2026年Q1 GDP成長率 | 前年比+5.4% | Q4 2025の6%超から鈍化も「正常な安定化」と評価 |
| HSBC通年予測(2026年) | 4.5% | 安定した成長軌道を維持 |
| インフレ | 穏やか | 政府の燃料補助金が物価を下支え |
| 原油収支 | 純輸入国 | 国際原油価格の影響を受けやすい |
| 天然ガス収支 | 純輸出国 | エネルギー分野での競争優位を維持 |
GDP成長率5.4%は日本(1〜2%台)と比べると高水準。マレーシアが「アジアの安定成長国」として投資家に評価される理由のひとつです。原油は輸入依存ながら、天然ガスは輸出で稼ぐという構造で、エネルギー地政学リスクを相対的に抑えています。
アジア向けの推奨戦略:バーベル型
HSBCがアジア投資家に推奨するのは「バーベル戦略」です。バーベル(両端に重りのついたトレーニング器具)のイメージで、ポートフォリオの両端に異なる性質の資産を配置します。
- 片端:AIイノベーションテーマ株 → 高リスク・高リターン狙い
- もう一端:配当・利回り重視の資産 → 安定したインカムゲイン
日本でいえば「グロース株ファンド+高配当ETF」を組み合わせるイメージ。ボラティリティが高まる相場では、攻守のバランスをとる発想が重要です。
日本人向けメモ
マレーシア在住の日本人が知っておきたい実務ポイントをまとめます。
- 為替のダブルリスクに注意 — マレーシア株はRM(リンギット)建て。2026年7月5日時点で1RM ≈ 39.6円。株価が上がっても円高で目減りすることがある
- 現地証券口座 — Maybank Investment Bank、CIMB Securities、Public Investなどで開設可能。英語対応あり
- EPF(従業員積立基金)活用 — 就労ビザで働く外国人もEPFに加入する場合があり。「Member Investment Scheme」で積立の一部を承認ファンドに振り向けられる(日本の確定拠出年金に相当)
- 税制メリット — マレーシアは個人のキャピタルゲイン税が非常に低水準。長期保有戦略と相性が良い
マレーシア経済が安定成長を続け、政府補助金でインフレが抑制されている今は、アジア投資を考える良い時期かもしれません。ただし投資には元本割れのリスクが伴います。ライセンスを持つファイナンシャルアドバイザーに相談しながら、自分に合った戦略を探してみてください。
写真: Chander Mohan / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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