マレーシアに住んでいると、お隣シンガポールとの経済格差を肌で感じることがありますよね。バスで数時間の距離にある隣国が、実はどれほど豊かなのか——スイスの金融大手UBSが発表した「UBSグローバル・ウェルス・レポート2025」がその実態を数字で明らかにしました。
シンガポールの一人当たり平均財富は52万7,217米ドル(約RM215万6,000、約8,538万円)で、世界第6位、アジアでは第2位。
日本では「1億円の資産があれば富裕層」と言われますが、シンガポールではそのボーダーラインに近い金額が国民の平均値なのです。
世界の一人当たり財富ランキング(2025年)
| 順位 | 国・地域 | 一人当たり財富(USD) | RM換算 | 日本円換算 |
|---|---|---|---|---|
| 🥇 1位 | スイス | 約910,000 | 約RM372万 | 約1億4,731万円 |
| 4位 | 香港 | 約648,267 | 約RM265万 | 約1億494万円 |
| 6位 | シンガポール | 約527,217 | 約RM215万6,000 | 約8,538万円 |
| — | 北米平均 | 約660,000 | 約RM270万 | 約1億692万円 |
| — | 豪州・NZ平均 | 約590,000 | 約RM241万3,000 | 約9,556万円 |
| — | 西欧平均 | 約330,000〜 | 約RM135万〜 | 約5,346万円〜 |
※1RM = 39.6円(2026年7月5日時点)、1USD ≈ RM4.09換算
なお、2025年の世界全体の個人財富は2017年以来最速となる前年比10.8%増を記録。3年連続の成長で、世界的な資産拡大が続いています。
光と影——シンガポールの格差問題
輝かしいランキングの裏に、見逃せない格差の実態があります。
シンガポールは先進アジア太平洋経済圏の中で、高資産層(10万ドル=約RM40万9,000=約1,620万円以上)の割合が最も低い国とされています。成人の半数以下しかこの水準の財富を持っていないのです。
さらに、一人当たり平均財富が5年間で20%成長した一方、中央値(メジアン)は低下しています。これは日本でも馴染みのある「平均値と中央値の乖離」問題です。一部の超富裕層が平均を大きく引き上げているため、「普通のシンガポール人」の体感とは大きなギャップがあるわけです。
2025年だけで約5,240人の新ミリオネア(百万長者)が誕生し、合計約24万4,000人が100万ドル(約RM409万、約1億6,196万円)超の財富保有者となりましたが、その恩恵が社会全体に行き渡っているとは言えない状況です。
地域別の富の成長率(2025年)
| 地域 | 成長率 |
|---|---|
| EMEA(欧州・中東・アフリカ) | +17.5% |
| アメリカ大陸 | +8.5% |
| アジア太平洋 | +5.9% |
アジア太平洋の成長率は他地域に比べてやや低め。米国と中国で世界の個人財富の50%以上を占める構造は変わっておらず、2020年以降、世界的に富の格差は拡大傾向にあります。
ただし明るい面もあります。資産1万ドル(約RM4万900、約162万円)未満の成人の割合は、2000年の75%から2025年には41%まで低下しており、絶対的な貧困は確実に減っています。
日本人向けメモ——マレーシア在住者として考えること
シンガポールとマレーシアの格差を肌で感じる場面
クアラルンプールとシンガポールはバスで数時間のご近所ですが、一人当たりGDPでは約6〜7倍の差があります。マレーシアで外食や日用品が「安い」と感じるのは、この経済水準の差を反映しています。ちょうど東京と地方都市の関係に近いイメージです。
シンガポール転職・就職を考える際のポイント
シンガポールの高い給与水準は魅力ですが、住宅費・教育費も世界トップクラス。「財富は多いが生活コストも高い」という構造は、収入が上がっても貯蓄率が変わらないケースを生みます。移住を検討する場合は、名目給与だけでなく購買力ベースで比較するのがポイントです。
ASEANの中でのマレーシアの位置づけ
マレーシアはASEANの中で中間的な経済水準にありますが、生活コストと収入のバランスが良く、特に日本人駐在員や外資系勤務者にとっては「暮らしやすいコスパ」が強みです。隣国の富のデータを眺めることで、マレーシアという選択の意味をあらためて考えてみるのも良いかもしれませんね。
写真: Swapnil Bapat / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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