「借金はとにかく早く返すもの」——そう信じている日本人にとって、今回のニュースは衝撃的かもしれません。
世界的ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者、ロバート・キヨサキ氏が現在抱える負債は約12億ドル(約RM48.5億 / 約1,921億円)。それでも本人は「怖くない」と言い切るのです。
いったい、これはどういう思考なのでしょうか?
12億ドルの借金——その正体は?
まず「借金の中身」を見ると、日本人のイメージする「消費のための借金」とはまったく異なります。元妻のキム・キヨサキ氏によれば、その大部分は二人が共同所有する約1,500戸のアパートに関連する不動産ローン。個人的な浪費ではなく、資産を取得・運営するための「事業上の負債」なのです。
| 項目 | 内訳 |
|---|---|
| 総負債額 | 約12億ドル(約RM48.5億 / 約1,921億円) |
| 主な内訳 | 不動産ローン(共同所有の約1,500戸) |
| 個人年収 | 約300万ドル(約1.2億円) |
| 推定個人負担分 | 約3,000万〜6,000万ドル(約119〜238億円) |
※ 1RM=39.6円(2026年9月2日時点)、1USD≒144円で換算
富裕層の「借金哲学」を日本人向けに解説
考え方①:借金は「てこ(レバレッジ)」である
日本では住宅ローンを「できるだけ早く完済したい」と考える人が多数派です。しかしキヨサキ氏の発想は逆。不動産の価値が上昇したとき、売却せずに「借り換え(リファイナンス)」によって現金を手に入れるという手法を核心戦略とします。
借り換えで得た資金は税法上「借入金」であるため、米国では課税されません。不動産を手放さずに現金を得て、次の投資に回す——これが「お金持ちの循環」です。
日本との違い:日本では不動産売却益に20〜39%の税がかかります。繰り上げ返済を美徳とする日本の住宅ローン文化とは、発想が180度異なります。
考え方②:LLC(合同会社)でリスクを仕切る
キヨサキ氏は投資案件ごとに別々のLLC(有限責任会社)を設立し、リスクを隔離しています。日本の「合同会社」に相当する仕組みで、一つの案件が失敗しても他の資産に影響が波及しない構造です。
| 仕組み | 効果 |
|---|---|
| 案件AのLLC | 失敗しても他の資産・LLCに影響なし |
| 案件BのLLC | 独立した損益・負債管理が可能 |
| 個人資産 | LLCの破綻から法的に保護される |
「真似するな」——本人の警告と元妻の本音
重要なのは、キヨサキ氏自身が「深い財務知識なしに真似してはいけない」と明言している点です。この戦略は不動産・税務・法律の高度な知識を前提としており、知識不足のまま実践すれば破産リスクがあります。
さらに元妻キム氏は「12億ドルという数字には、著書のプロモーションや注目集めの狙いも含まれている」と指摘。キヨサキ氏の個人年収(約300万ドル)から逆算すると、個人の実質的な負担は3,000万〜6,000万ドル程度とみられ、見出しほどの「無謀さ」ではない可能性もあります。
日本人が知っておくべきこと
- 日本とアメリカの税制・法制度は大きく異なります:リファイナンス戦略は日本の税制のもとでは同様には機能しません。参考にする際は「考え方の視点を借りる」程度に留めるのが無難です。
- マレーシア在住者への応用:マレーシアでもEPF(雇用積立基金、日本の厚生年金に相当)の引き出しを活用した不動産投資や、MM2H(Malaysia My Second Home)の資産計画として、「良い借金と悪い借金の違い」を学ぶ価値は十分あります。
- 書籍はKLCCで買える:『Rich Dad Poor Dad』の英語版はKLCC内のKinokuniyaやMPH書店で購入可能。日本語版(筑摩書房)はAmazon JPから取り寄せも可能です。
- 投資判断は必ず専門家に相談を:ファイナンシャルプランナーや税理士への相談が、マレーシアでも日本でも大原則です。
まとめ
「借金1,900億円でも怖くない」——キヨサキ氏のこの言葉は単なる強がりではなく、資産を「良い借金」で増やし続けるという明確な哲学に基づいています。日本人の常識からは遠い発想ですが、「お金に働かせる」という視点の入口として、非常に参考になる考え方ではないでしょうか。
マレーシアでも資産形成や不動産投資への関心は年々高まっています。こうした海外の財務思想を知識として取り入れながら、自分に合ったお金との付き合い方を探してみてはいかがでしょうか。
写真: Alexander Grey / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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