マレーシアに住んでいると、どこでも目にする「メイバンク(Maybank)」。ATM数はマレーシア最多で、日本人在住者の多くが使うマレーシア最大の銀行です。
そのメイバンクが2026年6月29日、インドネシアのジャカルタで重大な決議を行いました。メイバンク・インドネシアの株主特別総会(EGM)が開かれ、3つの金融会社の取得・合併が正式に承認されたのです。
金融持株会社(PIKK)へ昇格 — 何が変わる?
この再編によって、メイバンク・インドネシアは単なる「銀行」から「金融持株会社(PIKK:Perusahaan Induk Konglomerat Keuangan)」へと格上げされます。
日本で言えば、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のような存在です。銀行単体ではなく、複数の金融サービス会社を傘下に持つグループ経営体制に移行するイメージですね。
| 事業部門 | 内容 | 日本の例で言うと |
|---|---|---|
| 資産運用 | 投資信託・運用業務 | 三菱UFJ国際投信 |
| 証券 | 株式・債券売買 | 三菱UFJ証券 |
| 保険 | 生命・損害保険 | 東京海上日動 |
| 自動車ローン | 四輪車向け融資 | オリコ |
| バイクローン | 二輪車向け融資(東南アジアで重要) | アイフル等ノンバンク |
インドネシアの金融サービス監督庁(OJK:Otoritas Jasa Keuangan)が2024年に整備した新しい規制に基づく再編で、グループ全体のリスク管理・資本効率の向上が目的です。
ASEAN全体で「持続可能な金融」へ約11.8兆円を動員
メイバンクグループは2030年までにASEAN地域全体で 730億米ドル(約RM 2,963億・約11.8兆円) のサステナブルファイナンス(持続可能な金融)を実行するとコミットしています。
日本でも「ESG投資」「グリーンボンド」という言葉が浸透していますが、メイバンクはさらに一歩踏み込んでいます。
インドネシア初!グリーンエネルギーに直接投資できる「SRIA」
今回の注目ポイントが、インドネシア初となる「SRIA(Sustainable Islamic Restricted Investment Account:持続可能なイスラム制限投資口座)」の導入です。グリーンエネルギープロジェクトへ直接投資できるイスラム金融商品で、ESG投資の理念とイスラム金融を組み合わせた革新的な仕組みです。
イスラム金融って何?(日本人向け解説)
マレーシアに来て初めて「イスラム金融(Islamic Finance)」という言葉を聞いた方も多いはず。ポイントをまとめると:
- イスラム教では「利子(リバ)」の受け取りが禁止されている
- 代わりに「利益分配」「賃料」という形でリターンを得る仕組みが発達
- アルコール・タバコ産業への投資も禁止 → グリーンエネルギーと相性が非常に良い
- 日本の「ESG投資」に近いが、宗教的な制約がより明確に定義されている点が特徴
メイバンク・インドネシアの規模感(2026年3月時点)
| 指標 | 金額(IDR) | RM換算 | 円換算(参考) |
|---|---|---|---|
| 顧客預金残高 | 118兆3,500億ルピア | 約RM 33.9億 | 約1,349億円 |
| 総資産 | 192兆1,700億ルピア | 約RM 55.1億 | 約2,193億円 |
※1RM ≈ 39.8円(2026年6月30日時点)
インドネシアは人口約2億8,000万人を抱えるASEAN最大の市場。メイバンクにとって最重要な成長市場のひとつです。
日本人にとっての意味
「インドネシアの銀行ニュース、私には関係ない?」と感じるかもしれませんが、実はメイバンクユーザーには無関係でもありません。
- マレーシアでメイバンク口座を持っている方: グループ全体の経営基盤強化は預金者にとってプラス材料
- デジタルバンキング「MAE」アプリのユーザー: ASEANでの事業拡大により、越境サービスがより便利になる可能性
- インドネシア旅行・出張が多い方: バリ島やジャカルタでもメイバンクATMが使いやすくなる見込み
- サステナブル投資に関心がある方: ASEAN域内でのグリーン金融商品の選択肢が広がる
日々のショッピングモールでMaybankのPOS端末を使うたびに、このASEANを代表するメガバンクの一部に触れているのかもしれませんね。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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