マレーシアの株式市場に興味がある方、あるいは現地企業のビジネス動向を追っている方にとって、注目すべきニュースが届きました。ACEマーケット(マレーシア証券取引所の中小型・成長株向け市場)に上場する盈获数码(インフォム、証券コード: 0265)が、2026年度(FY2026)の通期決算で過去最高の業績を達成したと発表しました。
盈获数码(INFOM)とはどんな会社?
盈获数码は、マレーシアを拠点とするITインフラ・デジタルソリューション企業です。政府機関や金融機関向けにシステムの構築・運用を提供しており、日本で例えるなら富士通やNECの地方版のような存在です。今期はマレーシア国内にとどまらず、タイでも事業を展開しており、バンコク銀行との契約を更新したことも明らかになりました。
FY2026 業績ハイライト
| 指標 | FY2026実績 | 前年比 | 日本円換算(1RM=39.8円、2026年7月22日時点) |
|---|---|---|---|
| 通期売上高 | RM 2億7,805万 | +41.3% | 約110億7千万円 |
| 通期純利益 | RM 3,515万 | +66.0% | 約14億円 |
| 第4四半期売上高 | RM 462万 | +58.4% | 約1億8千万円 |
| 第4四半期純利益 | RM 1,001万 | 赤字→黒字転換 | 約4億円 |
| 手持ち受注残 | RM 5億6,500万 | — | 約224億9千万円 |
| 純現金ポジション | RM 1億1,400万 | — | 約45億4千万円 |
売上高が41%以上増加し、純利益が66%増というのは、日本の東証プライム上場IT企業でもなかなか見られない高成長率です。第4四半期の黒字転換は、事業の収益体質が着実に改善されていることを物語っています。
注目ポイント:受注残RM5億6,500万の意味
受注残(バックログ)がRM5億6,500万(約225億円)というのは、現在の年間売上高の約2倍に相当する規模です。これは今後数年分の売上が一定程度確保されていることを意味します。
日本のIT業界でも、富士通やNTTデータが大型の政府系プロジェクトを受注して中長期の収益安定性を確保するのと、まったく同じ構造です。受注残が厚い企業は、景気の波に左右されにくいという特徴があります。
最近獲得した主要契約
| 契約先 | 内容 | 規模 | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| JPJ(道路交通局) | システム構築・運用 | RM 2,110万 | 約8億4千万円 |
| バンコク銀行(タイ) | ITシステム契約更新 | 非公表 | — |
JPJ(Jabatan Pengangkutan Jalan)とは、日本でいう国土交通省と警察庁を合わせたような機関で、車両登録・運転免許・道路安全を管轄しています。政府機関への納入実績は、今後の公共入札において大きな強みになります。
配当スケジュール(2026年8月)
株主還元の面では、以下の配当が予定されています:
| 区分 | 1株あたり配当 | 権利落ち日 | 支払日 |
|---|---|---|---|
| 第2次中間配当 | RM 0.0068(約0.27円) | 2026年8月5日 | 2026年8月19日 |
| FY2026累積配当 | RM 0.0203(約0.81円) | — | — |
配当利回りは小さいですが、これは成長フェーズにある企業として利益の多くを事業拡大へ再投資しているためです。日本の高配当株とは異なり、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うスタイルの投資家に向いています。
日本人が知っておくべきこと
マレーシア株式投資に興味がある在住者・投資家の方へ
- ACEマーケットとは: 日本の東証グロース市場(旧マザーズ)に相当する成長株向け市場。将来的にメインマーケット(プライム相当)への昇格を目指す企業が多く上場しています。流動性はメインより低めです。
- 口座開設: 在住者であれば、Maybank SecuritiesやCIMB Securitiesなどのオンライン証券口座を開設できます。外国人でも就労ビザや永住権(MyPR)があれば開設可能ですが、手続きに時間がかかることがあります。
- 税制上の魅力: マレーシアには株式の譲渡益税(キャピタルゲイン税)がありません。売却益は基本的に非課税です。ただし、日本居住者や日本国籍を持つ方は日本の確定申告が必要な場合があります。
- 情報収集の壁: 盈获数码のような華人系企業の情報はChina Press(中国語)やBursa Malaysia(英語)が中心。日本語の情報源はほぼありません。
- 為替リスク: 配当・売却益はRM(リンギット)で受け取るため、円高時には実質的なリターンが目減りします。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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