マレーシアの街を走る大型バスを、普段何気なく利用していませんか?実はそのバスの多くが、マレーシア国内で製造されたものです。今回注目するのは、マレーシアのバスメーカーBus Cap(バスキャップ)。2026年第2四半期(4〜6月)の決算で39.7%という大幅な売上増を記録し、さらに中国EV大手・BYDとの提携で電気バス製造にも乗り出すことが明らかになりました。
Bus Capとは?日本との比較で理解する
Bus Capは、マレーシアとシンガポール向けにバスを製造・納入している企業です。2026年にBursa Malaysia(ブルサ・マレーシア、マレーシア証券取引所)に上場したばかりの新興企業で、売上の約97.7%をバス製造が占めるバス専業メーカーです。
日本で例えると、日野自動車や三菱ふそうトラック・バスの「バス事業部門」に近いイメージ。ただし規模はずっと小さく、マレーシア・シンガポールのローカル市場に特化した地域密着型メーカーです。
2026年Q2決算:前四半期比39.7%増の大幅成長
| 指標 | 金額(RM) | 日本円換算 |
|---|---|---|
| Q2売上高 | 2,695万RM | 約10.6億円 |
| Q2純利益(IPO費用除く) | 327万RM | 約1.28億円 |
| 上半期(H1)売上高 | 4,623万RM | 約18.2億円 |
| 上半期純利益 | 460万RM | 約1.81億円 |
| うちバス製造売上 | 4,516万RM | 約17.7億円 |
※為替レート: 1RM = 39.3円(2026年8月21日時点)
Q2の売上高は前四半期(Q1)比で39.7%増、純利益も同29.1%増という好成績。IPOに伴う一時的なコストを除けば、事業の実力としては着実な成長軌道にあります。売上のほぼすべて(97.7%)をバス製造が担い、残りの約4,200万円相当が整備・修理部門です。
成長を支える要因:安定した車両更新需要
Bus Capの業績を後押ししているのが、マレーシアとシンガポールにおけるバスの老朽化に伴う車両更新需要です。
日本でも路線バスが10〜15年ごとに新型車両へ入れ替わるように、両国でも公共バスの定期的な更新が継続的に行われています。「安定した更新需要」がBus Capの収益をしっかり下支えしている構図です。特にシンガポール向けは品質基準が厳しく、そこに参入できているということ自体、製造力の証明ともいえます。
最大の注目点:BYDとの独占提携で電気バスへ参入
今回の決算発表で最も話題を集めているのが、BYD Malaysia(中国EV大手BYDのマレーシア法人)との独占的MOU(覚書)の締結です。
ペラ州(Perak)における電気バスの組み立て・製造施設の設立を共同で検討するという内容で、実現すれば Bus Cap は従来のディーゼルバス製造から電気バス市場への本格参入を果たすことになります。
BYDは日本でも「テスラのライバル」「世界最大のEVメーカー」として知られる中国企業。マレーシアでも電気乗用車(BYD ATTO3、BYD Sealなど)の販売が急増しており、公共バスのEV化への進出は自然な流れといえます。
日本人投資家・ビジネスパーソンへのメモ
なぜ注目されているのか:
- EV化の波に乗る: 東南アジアの公共バスが電動化へ向かう流れの中で、ローカル製造拠点を持つBus Capは先行者優位を得られる可能性があります
- 安定した需要基盤: マレーシア・シンガポール両国政府による公共交通投資は継続的で、受注の読みやすさが魅力
- 上場直後の段階: 2026年IPOから間もないため、これから財務データが積み上がるフェーズ。成長余地はある反面、実績の蓄積はまだ少ない
気をつけておきたいこと:
– BYDとのMOUはあくまで「検討・交渉段階」。実際の工場建設・量産開始には時間がかかる
– 中小型銘柄のため、株式の流動性(売買のしやすさ)は大型株より低い傾向
– マレーシア株への投資には、マレーシア対応の証券口座が必要(楽天証券・SBI証券など一部の日本の証券会社でも取り扱いあり)
マレーシアの日常を支えるバスが、電動化という時代の変化を迎えようとしています。Bus Capがこの変革期にどう動くか、今後の展開に注目です。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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