マレーシアを走っていると、「PROTON」のバッジが付いた車をよく見かけませんか?あのシンプルなセダンや最近増えてきたSUV——それがマレーシア国産車メーカー・プロトン(Proton Holdings)の車です。
日本でいえば、かつてのカローラや軽自動車のように「誰もが手の届く国民車」として普及してきたプロトン。そのブランドが2026年5月に1万6,995台という力強い販売台数を記録し、電動車ブランド「e.Mas(イー・マス)」がマレーシア市場を席巻しています。
5月の主要車種別販売実績
| 車種 | 5月販売台数 | カテゴリ |
|---|---|---|
| Saga(サガ) | 7,398台 | セダン(エントリー) |
| X50 | 2,793台 | コンパクトSUV |
| S70 | 2,350台 | セダン(ミドル) |
| X90 | 402台 | 大型SUV |
| e.Mas(EV全体) | 3,022台 | 電動車 |
| 合計 | 16,995台 | — |
マレーシア全体の市場シェアは26.7%。4台に1台以上がプロトンという計算です。1〜5月の累計は84,294台(前年比+38%)と、昨年同期比でほぼ1.4倍という驚異的な成長です。
「国民車」サガが依然1位——日本のカローラ的存在
特に圧倒的なのがSaga(サガ)の販売力。5月だけで7,398台を記録し、マレーシア全乗用車モデルの中で販売台数1位を獲得。1〜5月累計は37,375台(前年比+41%)です。
日本でいえば、トヨタ・カローラが何十年もベストセラーであり続けた感覚に近いです。サガは価格帯がRM4万台〜(約160万円〜、1RM=39.8円・2026年6月6日時点)と手頃で、家族の最初の一台として選ばれることが多い車種。プロトン車は維持費や部品代も安く、マレーシアの中間層に根強く支持されています。
e.Mas電動車シリーズが急成長中
今回最大のトピックが、電動車ブランド「e.Mas(イー・マス)」の躍進です。e.Masは中国・吉利(ジーリー)自動車との合弁で生まれた新世代ブランドで、デザインと先進技術が大幅アップグレード。
| モデル | 5月販売台数 | タイプ | 注目実績 |
|---|---|---|---|
| e.Mas 5 | 883台 | 純電気(BEV) | 1〜5月累計9,357台(マレーシアBEV累計販売1位) |
| e.Mas 7 PHEV | 1,181台 | プラグインハイブリッド | マレーシアPHEV月間販売1位 |
| e.Mas 7 純EV | 958台 | 純電気(BEV) | マレーシア月間BEV販売1位 |
| e.Mas合計 | 3,022台 | — | 5ヶ月累計14,687台 |
日本では2025年の月間EV販売が国内全体で数千台規模にとどまっていることと比べると、人口3,300万人のマレーシアで月3,000台超えというのは、相当なEV普及速度といえます。
なぜマレーシアでEVが売れているのか
日本では「EVはまだ早い」という印象が根強いですが、マレーシアでは政策的な後押しが強く働いています。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 税制優遇 | 完成車・部品の輸入税・物品税が期限付きで免税 |
| 充電インフラ整備 | 主要ショッピングモール・駐車場に急速充電器が続々設置 |
| ガソリン補助金の縮小 | RON95(レギュラー)補助金縮小の動きがEV需要を後押し |
| 吉利との技術提携 | 先進技術をリーズナブルな価格で提供できる体制 |
日本では「テスラは高くて手が出ない」という感覚が一般的ですが、マレーシアでは国産ブランド×EV補助制度の組み合わせにより、より身近な選択肢になってきています。
日本人向けメモ
在住者の方へ
– クアラルンプール都市圏の主要モール(Pavilion、Mid Valley、1 Utamaなど)の駐車場に急速充電スタンドが増えており、日常使いが現実的な環境になってきています
– e.Mas車の試乗・購入は全国のプロトンショールームで可能。英語対応スタッフが多く、日本人でも相談しやすいです
– GrabやInDriveなどのライドシェアでe.Masが配車されることも増えているので、乗客として乗り心地を試す機会があります
渡航予定の方へ
– マレーシアは右ハンドル・左側通行で日本と同じ。将来的な運転も検討しやすい環境です
– 街中でe.Masのロゴ(「E」と「M」を組み合わせたデザイン)を見かけたら、それがプロトンの新世代EVです
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


コメント