マレーシアに住む日本人の方なら、街中の支店やATMで「AmBank」の看板を目にしたことがあるのではないでしょうか。2026年8月、そのAmBankグループを長年にわたって支えてきたダト・アズラン・ハシン氏(Dato’ Azlan Hasin)が85歳で逝去されました。
30年以上にわたってマレーシア金融界に貢献した同氏の足跡を振り返りながら、AmBankとマレーシアの銀行業界について、日本人視点でご紹介します。
AmBankとは?日本の銀行と比べてみると
AmBankグループはマレーシアを代表する民間銀行のひとつです。日本でいえば三井住友銀行や三菱UFJ銀行のような存在で、個人・法人向けのフルサービスを提供しています。
| 比較項目 | AmBank(マレーシア) | 三菱UFJ(日本) |
|---|---|---|
| 設立 | 1975年(アラブ・マレーシア開発銀行として) | 1919年(三菱銀行として) |
| 主要業務 | 銀行・証券・保険・REITと多角展開 | 銀行・信託・証券 |
| 対応言語 | 英語・マレー語・中国語 | 日本語中心 |
| 特徴 | 多民族国家向けの多言語対応 | 窓口での丁寧な対面サービス |
マレーシアの銀行はマレー系・中華系・インド系など多民族が利用するため、英語での手続きが基本です。日本のように「番号札を取って待つ」文化は同じですが、窓口スタッフの英語力は概して高く、日本人も意思疎通しやすいのが特徴です。
ダト・アズラン・ハシン氏の30年超の歩み
1982年7月5日、同氏はアラブ・マレーシア開発銀行に入行。その後30年以上にわたり、マレーシア金融界の発展を支え続けました。
| 時期 | 主な役職・活動 |
|---|---|
| 1982年7月 | アラブ・マレーシア開発銀行入行 |
| 1985年〜 | AmBank財団の受託者に就任 |
| 1986年10月〜2007年3月 | AmSecurities(証券子会社)会長 |
| 1992年2月〜2015年8月 | AmBankグループ副会長 |
副会長として経営を統括するかたわら、生命保険(AmMetLife)、イスラム銀行(Malaysian Islamic Bank)、不動産投資信託(AmREIT Managers)の取締役も兼務。日本でいえば、メガバンクの副頭取として証券・保険・信託を横断的に率いた「金融界の重鎮」そのものです。
また、AmBank財団の受託者として1985年から活動を続けたことも注目に値します。マレーシアの大手企業は財団を通じた社会貢献を重視しており、奨学金や地域支援がその主な活動です。日本の企業財団とほぼ同様の仕組みです。
マレーシア銀行業界の歴史的背景
AmBankが生まれた1970年代は、マレーシアが独立後の経済成長を加速させていた時代です。当時の「新経済政策(NEP)」のもと、ブミプトラ(マレー系マレーシア人)の経済参画促進が図られ、マレー系・中華系・外資が共存する現在の多様な金融市場の土台が築かれました。
マレーシア主要銀行の比較(参考):
| 銀行名 | 特徴 | 外国人口座開設のしやすさ |
|---|---|---|
| Maybank | 最大手・ATM台数最多 | ◎ |
| CIMB | 東南アジア展開が強み | ◎ |
| Public Bank | 中華系財閥系・個人向けに強い | ○ |
| AmBank | 証券・保険も有する総合金融グループ | ○ |
| RHB Bank | 住宅ローンに定評あり | ○ |
日本人向けメモ — マレーシアで銀行口座を開くなら
赴任・移住した日本人が口座を開設する際に知っておきたいポイントをまとめました。
一般的な必要書類:
– パスポート
– ビザ(就労ビザ・MM2H等)
– マレーシア国内の住所証明(公共料金請求書など)
– 初回入金額(口座種別によって異なります)
銀行選びのポイント:
– Maybank: アプリ「MAE」が使いやすく日本人駐在員に人気。ATM網が最充実
– CIMB: オンラインバンキングが充実。外国人の開設実績が豊富
– HSBC: 英語対応が万全で駐在員向けサービスが整っている
AmBankも外国人向けの口座開設に対応していますが、英語でのやり取りが基本です。希望する支店に事前に英語で問い合わせておくと、必要書類を確認できてスムーズに手続きできます。
まとめ
ダト・アズラン・ハシン氏の逝去は、マレーシア金融界にとって大きな損失です。同氏が30年以上かけて育てたAmBankは、今もクアラルンプールをはじめ全国各地で多くの人々の生活を支えています。
マレーシアに暮らす私たちが便利な銀行サービスを享受できるのも、こうした「縁の下の力持ち」として長年インフラを支えてきた方々の存在があってこそ——改めて感じさせられるニュースです。
写真: Chander Mohan / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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