マレーシア物流株TASCOは今が買い時か?

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マレーシア株式市場に興味はありますか?日本からでも証券口座を開設すれば投資できるマレーシア上場株式の中で、今アナリストが注目している物流企業があります。それがTASCO(泛亞物流、証券コード:5140)——マレーシア最大級の総合物流企業の一つです。

TASCOとはどんな会社?

TASCO(Pan Asia Logistics)は、海上輸送・航空貨物・コールドチェーン(冷蔵物流)・倉庫管理まで手がける総合物流会社です。日本でいえばヤマトホールディングスや日本通運に近い存在ですが、国際貨物に特化している点が特徴です。特にマレーシア国内の製造業・食品・電子部品の輸送を担っており、経済の「血管」とも言える役割を果たしています。

現在の株価と目標株価

項目 数値 日本円換算(1RM≈38.5円)
現在株価(2026年8月6日) 39.5セン(RM0.395) 約15.2円/株
目標株価(RHB投資銀行) 62セン(RM0.62) 約23.9円/株
上昇余地 約+57%
FY2027予想PER 8.1倍
FY2027予想配当利回り 3.5%

RHBインベストメントバンクは「買い」推奨を出しており、目標株価62センは現在価格の約1.57倍。PER(株価収益率)が8.1倍というのは、同社の過去5年平均を下回る水準で、割安感が強調されています。日本の輸送・物流株の平均PERが15〜20倍前後であることを考えると、マレーシア株特有の低バリュエーションが際立ちます。

なぜ今注目されているのか——3つの回復材料

1. 新物流センターが2026年8月に稼働

シャーアラム(クアラルンプール近郊の主要工業地帯)とノースポート(マレーシア最大の港湾エリア)に新たな物流センターが今月から本格稼働を開始しました。これにより月間200万〜290万円(RM20〜30万)のコスト削減が見込まれており、収益性の改善が期待されます。

2. 税制優遇「ILS」の適用が年度末までに

マレーシア政府が物流企業向けに設けている「統合物流サービス(ILS)」の税制優遇措置が、FY2027年度末(2027年3月頃)までに適用される見通しです。日本でいう法人税の軽減措置に相当し、これが実現すれば純利益への直接的な押し上げ効果があります。

3. 航空貨物がデータセンター需要で急増

意外なところでは、データセンター向けの精密機器・部品の輸送が航空貨物部門を押し上げています。マレーシアはここ数年、グーグル・マイクロソフト・アマゾンなどがデータセンターを集積しており、その建設・維持に必要な精密機器の輸送が増加。本来は海上輸送されていた貨物が時間的な理由で航空輸送に切り替えられるケースが増えており、TASCOの航空貨物部門が恩恵を受けています。

足元の業績は苦戦中——課題も正直に

FY2027年第1四半期(2026年4〜6月)の中核純利益は前年同期比29%減の720万RM(約2億7,720万円)と低調でした。

事業部門 状況
航空貨物 好調(データセンター関連需要)
海上輸送 不振
契約物流(倉庫・配送) 不振
コールドチェーン(冷蔵) 不振

アナリストはFY2027〜2029年の業績予想を6.5〜6.7%下方修正しました。ただし、それでも「現在のPER8倍台は魅力的」という判断を維持しているのが注目点です。

日本人投資家へのメモ

  • マレーシア株への投資方法: 日本の証券会社でも楽天証券・SBI証券などが外国株として取り扱っています。ただしマレーシア株(バーサ・マレーシア上場)は対応していない場合が多く、現地証券口座(Malacca Securities、Maybank など)の開設が必要なことも。
  • 為替リスク: RMと円の動きは連動しないため、株価が上がっても円高で利益が相殺される場合があります。1RM≈38.5円(2026年8月時点)で計算していますが、変動には注意を。
  • 配当の受け取り: マレーシアは配当に源泉徴収税(非居住者向け)がかかる場合があります。詳細は証券会社に確認を。
  • 物流株のシクリカル性: 物流株は景気循環に敏感です。世界貿易が縮小すれば業績への影響は避けられません。今回の下半期回復シナリオもあくまでアナリスト予測であり、確約ではありません。

マレーシア経済の実物を支える物流インフラへの投資という意味では、単なる株価上昇期待だけでなく、「成長するASEAN物流市場に乗る」という長期視点も持てる銘柄です。新物流センターの稼働と税制優遇の追い風が本当に利益に反映されるか、下半期の決算発表(2026年11月頃)が一つの注目点になりそうです。

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。本記事は投資助言を目的とするものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

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