マレーシアに住んでいると、「せっかくだからリンギットで資産運用してみたい」と思ったことはありませんか?日本では低金利・低配当が当たり前ですが、マレーシアの不動産投資信託(REIT)には、日本では考えにくい高配当が期待できる銘柄があります。
その代表格のひとつが、Axis REIT(AXREIT、証券コード:5106)。マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)に上場する産業用不動産特化型REITで、2026年7月31日時点での株価はRM 1.92(約74.7円)。証券アナリストの目標株価はRM 2.15(約83.6円)と、さらなる上昇余地が示されています。
Axis REITとは?
Axis REITはマレーシア初の産業用不動産REITとして知られ、物流倉庫・配送センター・製造施設など「モノが動く現場」を主な投資対象としています。日本で例えるなら、プロロジスやGLPが保有するような物流施設に特化したJ-REITに近いイメージです。
マレーシアでは、Shopeeやラザダ(Lazada)などEコマースの拡大を背景に物流施設需要が年々増加。AXREITはその波に乗りながら着実に成長を続けています。
2026年の注目ポイント:稼働率97%へ
2026年最大のニュースは、稼働率の急回復です。
- 2026年3月:セランゴール州(Selangor)の物流倉庫とブキット・ラジャ(Bukit Rajah)の配送センターに新テナントが入居開始
- 2026年第3四半期(Q3)以降:追加の新テナントから賃料収入が本格化
- 2026年末までに稼働率が93%から約97%まで上昇する見通し
稼働率97%は非常に高い水準です。日本の商業施設REITでも95%超えは優良とされますが、産業用途ではとりわけ評価される数字です。
さらに、ケダ州(Kedah)のパダン・メリア(Padang Meriah)工業団地にある産業施設を約1億1,300万リンギット(約44億円)で取得する計画も進行中。実現すれば資産規模のさらなる拡大が期待できます。
主要投資指標一覧
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在の株価(2026年7月31日) | RM 1.92(約74.7円) | Bursa Malaysia |
| アナリスト目標株価 | RM 2.15(約83.6円) | Kennarg証券 |
| 投資推奨 | Outperform(強気) | 上昇余地 約12% |
| 予想EPS(FY2027) | 11.3セント | 1株あたり利益 |
| 予想PER(FY2027) | 17.2倍 | — |
| 予想配当利回り(FY2027) | 6.1% | J-REIT平均3〜4%を大幅に上回る |
| 現在の稼働率 | 93%(→約97%見込) | FY2026末 |
※為替レート:1RM = 38.9円(2026年8月1日時点)
J-REITと何が違う?
日本のJ-REITとマレーシアのREITを並べると、いくつか重要な違いが見えてきます。
| 比較項目 | マレーシアREIT(AXREIT) | 日本のJ-REIT(参考) |
|---|---|---|
| 配当利回り | 約6.1%(FY2027予想) | 平均3〜4% |
| 市場の性質 | 新興市場(成長余地大) | 成熟市場 |
| 通貨 | リンギット建て | 円建て |
| 主な投資対象 | 産業用不動産特化 | 物流・商業・住宅など多様 |
| 配当課税 | REIT構造上、非課税優遇あり | 20.315%の源泉徴収 |
注目すべきは配当利回り6.1%という数字。日本の定期預金が0.1〜0.2%程度、J-REITの平均が3〜4%であることを考えると、マレーシアREITの魅力は際立っています。ただし、リンギット安が進むと円換算での受取額が減る為替リスクは常に念頭に置く必要があります。
なぜ今、産業用不動産が強いのか?
マレーシアの製造業・物流業は転換期を迎えています。米中貿易摩擦を背景に中国からマレーシアへ生産拠点を移す外資系企業が増加し、セランゴール州やペナン州を中心に半導体・電子部品・自動車部品などの工場・倉庫需要が急増。Axis REITが保有する施設は、まさにこの「製造業シフト」の恩恵を受けやすいロケーションに集中しています。
経営陣も産業用不動産セクターの安定した需要と継続的な賃料上昇に対して強気の見通しを維持しており、長期保有にも耐えうるポートフォリオと評価されています。
日本人向けメモ
マレーシア在住の日本人がAXREITへの投資を検討する際の実用情報をまとめました。
- 購入方法:Bursa Malaysiaに上場しているため、マレーシアの証券口座(Maybank Investment Bank、CIMB Investment Bankなど)から購入可能。外国人でも口座開設できますが、手続きには数週間かかることがあります
- 最低投資単位:通常100株単位。RM 192程度(約7,500円)から始められるのは敷居が低いポイントです
- 配当受取:四半期ごとに分配される仕組みが一般的。年4回の定期収入として計画しやすいです
- 為替リスク:リンギットで配当を受け取るため、日本円へ換金する際に為替の影響を受けます。マレーシア在住中はリンギットのまま再投資するのも一手です
- 税務:マレーシア在住者はREIT配当への課税が優遇されているケースがありますが、日本への申告義務については必ず税理士にご確認ください
- 情報確認先:Bursa Malaysia公式サイト(bursamalaysia.com)またはAxis REIT公式サイト(axisreit.com.my)で最新の財務情報を確認できます
マレーシアで生活しながら、地元の不動産成長の恩恵を受けられるのがマレーシアREIT投資の醍醐味。「住んでいる国の経済成長に乗る」という発想は、在住者にとって自然な選択肢のひとつではないでしょうか。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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