マレーシアB40・M40・T20とは?州で変わる生活水準

マネー・生活費

マレーシアで「月収RM5,000(約19万7,500円)」と聞いたとき、あなたはどんな生活を想像しますか?クアラルンプールでは家賃だけで消えてしまうかもしれない金額が、ペルリスやクランタンでは「ゆとりのある暮らし」を実現できる——これがマレーシアの所得格差の実態です。

B40・M40・T20って何?マレーシアの所得分類を解説

マレーシア政府は、全国民の世帯収入を3つのグループに分類して政策立案に活用しています。日本でいう「低所得層・中間層・富裕層」に近い概念ですが、マレーシアでは世帯月収を基準にしているのが特徴です。共働きが当たり前の社会なので、夫婦合算の収入で考えます。

グループ 月収(世帯) 日本円換算(※) 主な特徴
B40(低所得層) RM5,000以下 約19万7,500円以下 生活基盤の確保が最優先。政府補助の主な対象
M40(中間層) RM5,000〜10,000 約19万7,500〜39万5,000円 貯蓄は可能だが、物価上昇の直撃を受けやすい
T20(高所得層) RM10,000以上 約39万5,000円以上 比較的家計に余裕。ただし居住州で体感は大きく異なる

※1RM=39.5円(2026年6月28日時点)

日本では「年収の壁」が話題になりますが、マレーシアはこの3分類で補助金・奨学金・医療費支援の対象を決める仕組みになっています。B40に認定されると食料補助や電気代割引が受けられるなど、日本の「生活保護」よりも幅広い支援が存在します。

「同じRM5,000」でも、州が変わると別世界

マレーシアで特に知っておきたいのは、同じ収入でも住む州によって生活水準がまるで違うという現実です。

エリア 家賃の目安 ランチ相場 RM5,000世帯の体感
クアラルンプール市内 RM2,000〜3,500(約7.9〜13.8万円) RM10〜15(約395〜593円) B40ギリギリ、生活は厳しい
セランゴール(PJ周辺) RM1,500〜2,500(約5.9〜9.9万円) RM8〜12(約316〜474円) やや余裕なし
ペナン島(市内) RM1,200〜2,000(約4.7〜7.9万円) RM8〜12(約316〜474円) 観光地価格で家賃が上がっている
ジョホール・バル RM800〜1,500(約3.2〜5.9万円) RM7〜10(約277〜395円) 中程度のゆとり
クランタン・トレンガヌ RM400〜800(約1.6〜3.2万円) RM5〜8(約198〜316円) かなりゆとりのある暮らしが可能
ペルリス・サバ・サラワク地方部 RM300〜600(約1.2〜2.4万円) RM4〜7(約158〜277円) B40でも体感的にはM40的な生活水準

これは日本でいうと、東京と地方都市の生活費の差に近いイメージです。年収300万円でも地方なら持ち家を持てるのに、東京ではワンルームすら厳しい——その感覚がマレーシアでも13州全体で起きています。

M40の「挟まれた悩み」——中間層が一番しんどい?

マレーシアでよく耳にするのが「M40が一番大変」という声です。その理由はシンプルです。

  • B40向けの政府補助の対象外(食料補助・電気代割引などがもらえない)
  • 物価・家賃上昇の直撃を受けやすく、月末に余裕がなくなることも
  • 子どもの教育費(塾・インターナショナルスクール)が家計を圧迫する
  • EPF(従業員積立基金)への拠出もあり、手取りはさらに少なくなる

EPFとは日本の厚生年金に相当する制度で、給与から毎月11%(雇用主からも12%)が自動引き落とされます。M40世帯のRM7,000の収入でも、EPF控除後の手取りはRM6,230程度になります。

一方でT20層は投資・資産形成の余裕があり、富の格差は拡大傾向にあります。「中間層の空洞化」は日本だけの問題ではないのです。

日本人が知っておくべきこと

在住日本人はどの層に入るか?

マレーシアに駐在・長期滞在する日本人の多くは、就労ビザの収入要件(最低RM3,000〜5,000以上)を満たしていることから、M40〜T20の範囲に入ることが一般的です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • KL市内でT20(RM10,000以上)でも油断禁物:インターナショナルスクールの年間費用(RM40,000〜80,000)、外国人向けコンドミニアムの家賃(RM3,000〜6,000)などを考えると、RM10,000でも「ゆとり」と感じにくいのが現実
  • 州・エリア選びがライフスタイルの半分を決める:同じ予算でも、セランゴール郊外・ジョホール・ペナンの内陸部などを選ぶことで、より広い住まいと豊かな生活が実現します
  • マレーシアの数字は「世帯収入」ベース:日本のように個人年収で語ることが少ないため、配偶者の有無・共働きかどうかで体感は大きく変わります

「同じ収入でも、どの州に住むか」がマレーシアのお金事情を語るうえで最も重要なポイントです。移住・長期滞在を検討している方は、エリア選びの時点で生活費の試算を州ごとに行うことを強くおすすめします。

写真: Chander Mohan / Unsplash

出典: Leesharing の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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