Hup Seng国内販売4%減でも輸出17%急増の理由

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マレーシアのスーパーで「Pin(ピン)クラッカー」の赤い缶を見たことはありませんか?あの定番ビスケットを作るHup Seng(合成工業、株式コード:5024)が2026年第1四半期の業績を発表しました。国内では苦戦しながらも輸出が17%増と大きく伸びた背景に何があったのか——在住日本人目線で解説します。

Q1 FY2026 業績サマリー

指標 2026年Q1 前年同期比
純利益 RM 1,059万(約4億2,570万円) ほぼ横ばい
売上高 RM 9,122万(約36億6,700万円) ▼0.5%
配当(1株あたり) 1セン(約0.4円)
国内売上 ▼4%
輸出売上 ▲17%

1RM ≈ 40.2円(2026年5月27日時点)

純利益は前年並みをキープ。日本円に換算すると四半期だけで約4億円超の利益を出しており、日本の中堅食品メーカーに相当する規模感です。

国内売上4%減の理由——季節要因とは?

国内販売が4%減少した背景には季節要因があります。マレーシアの第1四半期(1〜3月)は旧正月(チャイニーズニューイヤー)シーズン。この時期、中国系マレーシア人の間では「年餅(ニェンピン)」と呼ばれる縁起菓子を親族や友人に配る文化があります。

旧正月向けの特需が終わると反動で通常販売が落ちる——これがマレーシアのビスケット業界に毎年繰り返される季節パターンです。日本でいえば、お歳暮・お中元シーズン後に贈答向け菓子の売上が落ち込む現象に近いですね。

輸出17%急増——タイ・モーリシャス・ミャンマーが牽引

国内の苦戦をカバーしたのが輸出の好調ぶりです。特に伸びた3市場を見てみましょう。

特徴・背景
タイ ASEANでも有数のビスケット輸入市場。Hup Sengの認知度が高く、リピート需要が安定
モーリシャス インド洋に浮かぶ島国。マレーシア製品に親しみのある華人・インド系コミュニティが需要を下支え
ミャンマー 経済回復とともに消費財への需要が拡大中。手頃な価格帯のビスケットは人気

この輸出拡大は偶然ではなく、経営陣が進めてきた販路網の積極的な拡大の成果です。日本でいうと、亀田製菓が「柿の種」を海外市場向けにカスタマイズして輸出シェアを伸ばしているのと似た動きといえます。

Hup Seng ってどんな会社?

1958年創業のHup Sengは、マレーシアのビスケット業界を代表する老舗メーカーです。工場はジョホール州ムアルにあります。

ブランド・商品 特徴 価格帯
Hup Seng Pin Crackers(赤缶) 甘みのないシンプルなクラッカー。コピー(ローカルコーヒー)のお供として定番 RM 4〜8(約160〜320円)
IKO Cream Crackers バター風味の薄いクリームクラッカー。日本のリッツに近い食感 RM 3〜6(約120〜240円)
IKO Saltine 塩味でサクサク系。スープや飲み物との相性◎ RM 3〜5(約120〜200円)

Lotus’s(ロータス)・AEON・Jaya Grocerなど主要スーパーで購入でき、地元民から在住外国人まで幅広く親しまれています。

今後の見通し——慎重な楽観主義

経営陣は「コスト管理・製品革新・流通網の拡大に注力する」と発表しつつも、楽観的すぎない慎重な姿勢を崩していません。小麦粉・パーム油などの原材料コストの高止まり、国内消費の慎重化、為替変動が引き続きリスク要因として挙げられます。

一方で輸出の勢いが続けば、国内の季節変動リスクを輸出でヘッジできる構造になりつつあり、中長期的には収益の安定化につながる可能性があります。

日本人向けメモ

マレーシア株に興味のある方へ

Hup Sengはブルサ・マレーシア(Bursa Malaysia:日本のプライム市場に相当する証券取引所)に上場しており、株式コードは5024です。景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄として知られ、安定した配当実績があります。ただしRM建ての配当となるため、円高局面では実質利回りが下がる為替リスクには注意が必要です。

日常生活の視点から

「ビスケット=おやつ」のイメージが強い日本人にとって意外かもしれませんが、マレーシアではHup Seng Pin Crackersはコーヒーブレイクの必需品。オフィスのお菓子棚や家のテーブルに常備されていることも多く、ローカルの日常を感じたい方にぜひ一度試してほしい一品です。

写真: Muhammed A. Mustapha / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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