マレーシアで銀行口座を開設したり、クレジットカードを申請したり、ローンを組もうとしたりする際に「CTOS」という名前を耳にしたことはありませんか?
CTOSはマレーシア最大の信用情報会社で、日本でいえばCIC(クレジット・インフォメーション・センター)や全国銀行個人信用情報センターに相当します。個人・中小企業・大企業の信用履歴を管理し、金融機関がローン審査を行う際に欠かせない存在です。
そのCTOSが2026年第1四半期(2025年12月〜2026年3月末)の好決算を発表しました。純利益は前年同期比28%増の1,851万リンギット(約7億4,400万円)、売上高も7.3%増の8,159万リンギット(約32億8,000万円)に達しています。
2026年第1四半期 業績ハイライト
| 指標 | 金額(RM) | 日本円換算(※) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,159万RM | 約32.8億円 | +7.3% |
| 純利益 | 1,851万RM | 約7.44億円 | +28% |
| 国内事業利益 | 1,800万RM | 約7.24億円 | +0.7% |
| 海外事業収益 | 1,290万RM | 約5.19億円 | +24.5% |
※ 1RM = 40.2円(2026年4月26日時点)
国内事業は運営コスト増にもかかわらず堅調に推移。一方、インドネシアおよびフィリピンの海外事業は前年比24.5%増と力強い成長を見せています。
CTOSとは?日本の信用情報機関と比べると
日本では複数の信用情報機関(CIC・JICC・全銀協KSK)が役割を分担し、それぞれが別々にクレジット情報を管理しています。マレーシアではCTOSが信用情報市場を実質的にリードしており、個人から大企業まで一元的にカバーしています。
| 比較項目 | マレーシア(CTOS) | 日本(CIC等) |
|---|---|---|
| 機関の種類 | 上場企業(民間) | 業界団体・民間 |
| 提供サービス | 信用スコア、企業調査、AIリスク分析 | 信用情報照会、スコアリング |
| 個人利用 | アプリで自分のスコア確認可能 | 開示請求(郵送・窓口)が必要 |
| 海外展開 | インドネシア・フィリピンへ拡大中 | 国内中心 |
| AI活用 | 代替データ活用のAI審査モデル開発中 | 一部機関で進行中 |
CTOSが日本の機関と最も異なるのは、上場企業として利益を追求しながら信用情報インフラを担っている点です。投資家向けに四半期ごとに業績を開示しており、今回の発表もその一環です。
東南アジアへの拡大:インドネシア・フィリピンで急成長
2026年第1四半期の海外収益は1,290万リンギット(約5.19億円)と前年比24.5%増を達成しました。両国での成長を支えているのは、消費者向け与信の拡大と新規顧客の獲得です。
東南アジア全体でキャッシュレス化・金融包摂が進むなか、信用情報インフラへの需要が急増しています。CTOSはさらにM&A(合併・買収)を通じてASEAN全域の信用情報サービスリーダーを目指す戦略を明言しており、地域の金融インフラの中核企業になろうとしています。
AIとモバイルアプリで進化するCTOS
CTOSは2026年上半期中に新しい消費者向けモバイルアプリをリリース予定です。現在もアプリでスコア確認が可能ですが、新アプリではAI活用のパーソナル金融分析など機能が拡充される見込みです。
また、「代替データ(alternative data)」を活用したAI審査モデルの開発にも継続投資しています。従来の金融履歴だけでなく、公共料金の支払い履歴や購買行動データなどを組み合わせることで、銀行口座を持たない層にも信用評価を提供する仕組みです。日本でも「フィンテックスコアリング」として注目される分野であり、マレーシアでも急速に普及しつつあります。
日本人が知っておくべきこと
マレーシアに長期滞在・移住する日本人にとって、CTOSは他人事ではありません。
- ローン・カード審査にCTOSが使われる: 銀行やノンバンクは与信審査でCTOSのデータを参照します。日本でいう「信用情報機関に照会される」のと同じです。
- 自分のスコアを確認できる: CTOSの公式サイトまたはMyCTOSアプリから、有料で自分の信用レポートを取得できます(RM25前後〜 / 約1,005円〜)。
- 外国人は信用履歴がゼロからのスタート: マレーシアに来たばかりの外国人は信用履歴がありません。クレジットカードを作り、期日通りに支払いを続けることで徐々にスコアが積み上がります。
- 延滞に注意: 支払い遅延はCTOSに記録され、将来のローン審査や賃貸契約に影響します。日本のいわゆる「ブラックリスト」と同様の仕組みです。
マレーシアでの生活基盤を固めるためにも、CTOSの仕組みをあらかじめ理解しておくことをおすすめします。
写真: CHUTTERSNAP / Unsplash
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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