Farm Freshの牛乳パッケージが変わった理由とは?

マネー・生活費

スーパーの乳製品コーナーで「Farm Fresh(ファーム・フレッシュ)」のボトルが見当たらない……そう感じた方はいませんか?実は、イランをめぐる地政学的リスクが、マレーシアの食卓にじわりと影響を与えています。

Farm Freshってどんな会社?

Farm Fresh(ファーム・フレッシュ)は、マレーシアを代表する乳製品ブランドです。牛乳・ヨーグルト・アイスクリームなどを展開し、スーパーのAEONやJaya Grocer、コンビニでもおなじみ。日本でいえば「明治」や「雪印メグミルク」に相当するポジションで、特に「草を食んで育てた乳牛から絞りたて」というナチュラル路線が特徴です。

株式コードはFFB(5306)で、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に上場しています。

なぜパッケージが紙パックに変わったのか

プラスチックボトル(1Lおよび2Lサイズ)の製造に使う素材「HDPE樹脂(高密度ポリエチレン)」の供給が、中東情勢の影響で滞っています。

HDPE樹脂の生産拠点のひとつがイラン。イランをめぐる地政学的リスクが高まったことで、サプライチェーン(供給網)が乱れ、プラスチックボトルの生産が困難になりました。これはグループ全体の売上の12〜13%に相当する規模です。

そこで同社が採った対策が「紙パック(カートン)への切り替え」。現在、切り替え分は売上の8〜9%をカバーしています。

項目 内容
影響を受けた製品 プラスチックボトル(1L・2L)
売上への影響 グループ売上の約12〜13%
代替策 紙パック(カートン)への切り替え
代替でカバーできている割合 約8〜9%

コスト上昇のトリプルパンチ

パッケージ問題だけではありません。Farm Freshは現在、3つのコスト上昇を同時に受けています。

コスト要因 影響
包材費(HDPEや紙カートン) 原材料コストの上昇
軽油(ディーゼル)輸送費 物流コストの増加
電気料金 製造・冷蔵コストの増加

これらを合計すると、コスト全体の8〜10%増と試算されています。日本でも電気代や物流費の上昇が話題になりましたが、マレーシアも同様の構造的コスト増に直面しています。

それでも「買い」と言われる理由

大手証券会社のCIMBセキュリティーズ・リサーチは、Farm Freshに対して「BUY(買い)」評価を継続しています。

指標 数値
2026年4月3日終値 RM 2.27(約89.9円)
目標株価 RM 2.65(約104.9円)
2027年予想EPS 8.6セン
2027年予想PER 27.3倍
2027年予想配当利回り 1.3%

1RM = 39.6円(2026年4月5日時点)

PER 27.3倍は日本の消費財メーカーと比較してやや高めですが、マレーシアの乳製品市場が成長途上であることを反映しています。日本の乳製品市場がほぼ飽和しているのとは対照的に、東南アジアでは「ナチュラル・プレミアム乳製品」の需要が拡大フェーズにあります。

リスクとして挙げられているのは、物価上昇(インフレ)によるアイスクリームなど高付加価値製品の需要減退。日常の牛乳・ヨーグルトは安定していますが、嗜好品に近いプレミアムアイスクリームは節約されやすい——これは日本でも見られる消費者行動と同じですね。

日本人投資家・在住者への視点

生活者として知っておくべきこと

  • プラスチックボトルが品薄な時期もある:代替として紙パックを選ぶことで同品質の製品が手に入ります
  • 価格への影響:コスト増が価格転嫁される可能性があります。現時点では大きな値上げはないものの、今後の動向に注意
  • Farm Freshの品質は変わらない:パッケージが変わっても中身の乳製品品質は維持されています

マレーシア株に興味がある方へ

Farm Freshはブルサ・マレーシア(Bursa Malaysia)に上場しており、証券コードは5306です。日系の証券会社の一部でも外国株として取り扱いがあります。マレーシアリンギットで購入するため、為替リスクも考慮する必要があります。

地政学リスク(供給不安)は短期的なマイナス要因ですが、東南アジアの消費市場の長期成長を見据えたポジションとも言えます。

日常でFarm Freshのヨーグルトや牛乳を飲んでいる方は、投資家として「身近な企業に投資する」という感覚で見てみるのも面白いかもしれません。

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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