「怪我をしていても戦い続ける」——マレーシアのスポーツ界で、そんな熱い物語が生まれました。
シャー・アラム(Shah Alam)のIdeal Convention Centre(IDCC)で開催されたSUKMA(スクマ)の空手競技で、ジョホール州代表の2選手が揃って金メダルを獲得しました。しかも2人とも、前十字靭帯(ACL)損傷という深刻な怪我を抱えたままの出場でした。
SUKMAとは?——日本の「国スポ」に相当するマレーシア最大の競技会
SUKMAとは「Sukan Malaysia(マレーシア競技大会)」の略で、日本の国民スポーツ大会(国スポ)に相当する、2年に1度開催される全国規模の総合スポーツ大会です。
| 項目 | SUKMA(マレーシア) | 国スポ(日本) |
|---|---|---|
| 正式名称 | Sukan Malaysia | 国民スポーツ大会 |
| 開催頻度 | 2年に1度 | 毎年 |
| 参加単位 | 各州代表 | 各都道府県代表 |
| 主な意義 | 国内最大の総合競技会 | 同左 |
各州の代表選手が一堂に集い、将来の国家代表を狙う若手アスリートも多数出場します。そこで金メダルを取ることは、日本でいえば国スポで優勝するのと同等の重みを持ちます。
2人の金メダリスト
今大会でジョホール州に栄光をもたらしたのは以下の2選手です。
| 選手名 | 年齢 | 種目 | 成績 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| A. Leidaneswaran(レイダネスワラン) | 24歳 | 男子67kg以下個人組手 | 🥇 金メダル | 前回大会は銀メダル |
| S. Vaissnavi(ヴァイスナヴィ) | — | 女子50kg以下個人組手 | 🥇 金メダル | — |
どちらもジョホール州代表として出場し、州に2つの金メダルをもたらしました。
怪我を押して戦った男——最後のSUKMAにかけた思い
この物語で最も胸を打つのが、レイダネスワランの決断です。
ACL(前十字靭帯)損傷は、膝の安定性を担う重要な靭帯が切れる怪我で、一般的には手術と数ヶ月のリハビリが必要とされます。スポーツ選手にとっては「シーズンエンド」を意味することも多い、深刻なものです。
彼は10月に予定していたACL手術をあえて延期して出場を決意しました。その理由——今大会が彼にとって最後のSUKMAだったからです。前回のSUKMAサラワク大会で銀メダルを獲得していた彼が、有終の美を飾るために身体を張った結果が、今回の金メダルでした。
日本でいえば、高校野球最後の夏に怪我を抱えながら甲子園の舞台に立ち、頂点をつかみ取るような——そんなドラマです。
ヴァイスナヴィも同様にACL損傷の既往歴を持ちながらの出場で、2人の金メダルには医学的困難を超えた重みがあります。
空手とマレーシア——多民族が競い合う舞台
空手はマレーシアでもマレー系・中華系・インド系を問わず広く普及しているスポーツです。今回の2選手はインド系マレーシア人で、マレーシアのインド系コミュニティにとっても大きな誇りとなりました。
特にジョホール州は、競技スポーツへの力の入れ方が他州と比較しても高く、今後も国際舞台で活躍する選手の輩出が期待されます。
日本人が知っておくべきこと
- SUKMAは地元の大きな話題になります: 開催期間中はSNSやニュースで頻繁に取り上げられます。マレーシア人の友人・同僚との会話のきっかけになりますよ。
- 空手道場はKLエリアにも充実: 松濤館流など日本発祥の流派を学べる道場が複数あり、日本人も一緒に練習できる環境が整っています。
- スポーツ観戦文化も根付いています: SUKMAのような大会はスタジアムやコンベンションセンターで開催されるため、現地で観戦する楽しみ方もあります。
写真: Muhammad Faiz Zulkeflee / Unsplash
出典: Varnam の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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