マレーシアの株式市場(Bursa Malaysia)に注目している方に、2026年7月の気になる銘柄をご紹介します。水道インフラ用の大口径パイプを供給する勇達集團(Engtex Group、証券コード:5056、本板上場)が、政府主導の大型案件受注を背景に業績拡大が期待されています。
Engtexってどんな会社?
Engtex Groupは、マレーシアの水道インフラを支える主要な大口径水道管サプライヤーです。政府や地方自治体が発注する浄水場・送水管プロジェクトに管材を供給しています。
日本でいうと、クボタや積水化学工業の管材部門に近い存在です。ただし、マレーシアは日本と異なり、水道インフラが整っていない地域がまだ多く残っており、政府が毎年大規模な整備投資を続けています。そのためEngtexのような企業には、日本のインフラ企業より大きな成長余地があります。
なぜ今注目なのか?
直近の入札パイプラインが歴史的な水準に達しているためです。
| 指標 | 数値 | 日本円換算(1RM=39.9円) |
|---|---|---|
| 現在株価 | RM0.45(45セン) | 約18円 |
| 目標株価 | RM0.51(51セン) | 約20円 |
| 上値余地 | 約13% | — |
| 現在の受注残高 | RM1億9,000万 | 約75億8,100万円 |
| 入札中案件合計 | RM11億 | 約438億9,000万円 |
| EPS(FY2026予測) | 5.4セン | — |
| PER(FY2026予測) | 8.3倍 | — |
| 配当利回り(FY2026予測) | 1.7% | — |
※ Kenanga Investment Bank調査、2026年7月17日時点
注目すべきは入札中案件の規模です。従来はRM5〜6億(約200〜240億円)程度だったのが、現在はRM11億(約439億円)と約2倍に膨らんでいます。マレーシア政府が水インフラへの投資を加速させていることの表れといえます。
Sungai Rasauプロジェクトとは?
最大の注目材料が、スランゴール州のSungai Rasau(スンガイ・ラサウ)浄水場拡張プロジェクト向けのRM2億(約79億8,000万円)規模の水道管供給案件です。
Sungai Rasauは、クアラルンプール首都圏の急増する水需要に対応するための国家的プロジェクトです。日本でたとえるなら、「首都圏の多摩川・利根川からの取水・送水設備の大規模増強」に近いスケールのインフラ投資といえます。Engtexはマレーシアでも有数の大口径水道管メーカーであるため、このような政府系大型案件の有力候補として市場から注目されています。
業績シナリオ:受注率60%で純利益37%増
| 入札受注率 | 受注額(概算) | 純利益変化(目安) |
|---|---|---|
| 40%受注 | RM4.4億(約176億円) | +約20% |
| 60%受注(基本想定) | RM6.6億(約263億円) | +約37% |
| 80%受注 | RM8.8億(約351億円) | +約50%以上 |
Kenanga Investment Bankは、入札中案件のうち60%を受注できた場合、純利益が約37%増となり、目標株価をRM0.51と設定しています(レーティング:Outperform=買い推奨)。政府系インフラ案件は競合が限られるケースが多く、実績のある大手サプライヤーが有利とされています。
日本人投資家向けメモ
在住者・長期滞在者でBursa Malaysiaへの投資を考えている方に参考情報をまとめました。
口座開設について
外国人でもマレーシアの証券口座は開設可能です。Maybank Investment Bank、PublicInvest(公众投资银行)などの現地証券会社で手続きできます。一部の日本の証券会社(楽天証券など)でも海外株式として取引可能な場合があります。
PER 8.3倍という水準について
日本の同種の管材・インフラメーカー(クボタ、積水化学など)のPERは通常15〜25倍程度です。マレーシア株は全般的に日本株より低いPERで取引される傾向があり、8.3倍は現地水準でも割安感のある水準です。「低PER=悪い会社」ではなく、マレーシア市場の特性と理解するとよいでしょう。
主なリスク要因
- 受注はあくまで入札中であり、結果次第で大きく変わる
- マレーシア政府の予算執行遅延リスク(公共案件の繰り延べは過去にも発生)
- MYR建て投資のため、円高・リンギット安局面では為替損失が生じる可能性
- 配当利回り1.7%は低めで、成長期待型の銘柄として捉えるのが適切
マレーシアで生活していると、道路脇の水道工事や「AIR SELANGOR(エア・スランゴール、水道公社)」の工事看板を目にする機会も多いですよね。そのインフラを支える企業に投資するのは、現地在住者ならではの「肌感覚」を活かした投資アプローチともいえます。
本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。株式投資はリスクを伴います。投資判断はご自身の責任でお願いします。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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