マレーシアでスターバックスとKRR(ケニー・ロジャース・ロースターズ)を運営する「サクセス・フード(BJFOOD)」。在住日本人にとっても身近なこの2大ブランドを傘下に持つ企業が、2026年3月期第3四半期決算で10四半期連続の赤字を発表しました。「2年半も赤字が続いているの?」と驚かれる方も多いかもしれません。その背景と在住日本人への影響を詳しく解説します。
最新の決算数字
2026年3月末時点のQ3(第3四半期)決算の概要は以下の通りです。
| 指標 | Q3 FY2026 | Q3 FY2025 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 純損失 | RM 1,432万(約5億7,400万円) | RM 3,719万(約14億9,100万円) | 61%縮小 |
| 売上高 | RM 1億1,913万(約47億7,700万円) | 前年比+4.9% | 回復基調 |
| 税引前損失 | RM 1,209万超(約4億8,500万円) | — | 前四半期より増加 |
※1RM=40.1円(2026年5月24日時点)
損失額は大幅に縮小しているものの、赤字自体は10四半期連続。売上は伸びており、コスト削減の成果は出ていますが、黒字転換にはまだ至っていません。
スタバは健闘、KRRは苦戦
同社が運営する2つのブランドで、明暗が分かれています。
スターバックス(マレーシア)
店舗数が減少しているにもかかわらず、売上高は前年を上回りました。不採算店舗を絞り込みながら客単価を維持することで収益効率を改善しています。
KRR(ケニー・ロジャース・ロースターズ)
KRRをご存知ない方に簡単に説明すると、日本でいうケンタッキーフライドチキンに近い存在のロースト・チキン専門チェーンです。マレーシア各地のモールに長年展開してきた老舗ブランドですが、近年は継続的な閉店が続き、売上が落ち込んでいます。
2年半にわたる赤字の背景
10四半期連続赤字には、複数の要因が重なっています。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 不買運動(ボイコット) | パレスチナ情勢を背景とした欧米ブランドへの不買運動 |
| ラマダン効果 | 断食月中の外食・カフェ需要の減少 |
| 2月の営業日数 | 他月より日数が少なく売上が下がりやすい |
| 店舗の合理化 | 採算の取れない店舗を順次閉鎖 |
なかでも「ボイコット運動」は2023年後半から続いており、スターバックスのような欧米系ブランドが大きな影響を受けてきました。日本ではボイコット運動が消費行動に直結することは比較的少ないですが、マレーシアはムスリム人口が全体の約60%を占める国。宗教・政治的背景が日常の消費行動に影響するケースは珍しくありません。
日本との比較で考える「10四半期赤字」
日本企業に例えるなら、「東証プライム上場の外食チェーンが2年半にわたって四半期赤字を計上し続けている」状況に相当します。日本ではこの状況が続けば上場廃止の懸念が出てきますが、マレーシアのブルサ・マレーシア(クアラルンプール証券取引所)では、大手企業が経営再建を続けながら上場を維持するケースは珍しくありません。
また、マレーシアの外食産業全体を見ると、原材料費の高騰・人件費の上昇・消費者の節約志向が重なる厳しい環境です。この点は日本の外食業界と共通しています。
日本人向けメモ
在住者・渡航者にとって気になる実用情報をまとめます。
- スタバは引き続き利用可能: 主要モールや市街地の店舗は営業継続中。品質やラインナップに大きな変化はありません。
- KRRの訪問前は確認を: 継続的な閉店が進んでいるため、行きつけの店舗が閉まっている場合があります。Google Mapsで現在地の営業状況を事前に確認するのがおすすめです。
- マレーシア株に興味があるなら: BJFOOD(ブルサ・マレーシア上場)は赤字縮小傾向にあり、ターンアラウンド(業績回復)を期待した投資家の注目を集めることもあります。ただし投資判断は十分なリサーチのうえで慎重に。
- ボイコットの動向: 不買運動はその時々の国際情勢により変化します。マレーシアの政治・社会ニュースを継続的にフォローすることで、身近なブランドへの影響を早めに把握できます。
次の四半期決算でどこまで損失が縮小するか——在住日本人にとっても馴染み深いスタバとKRRを巡る動向、引き続き注目です。
出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。


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