マレーシアのマックが10年続ける旧正月の老人ケア

生活・文化

旧正月といえば、家族が集まって賑やかに食卓を囲む時間ですよね。しかしマレーシアには、家族と離れて暮らす高齢者も少なくありません。そんな方たちのもとへ、マクドナルドが毎年欠かさず会いに行っていることを知っていますか?

10年間、届け続けた「団らん」

マレーシアのマクドナルド(McDonald’s Malaysia)は、旧正月の時期に高齢者施設を訪問するコミュニティケア活動を10年間連続で続けています。単発のイベントではなく、10年という年月をかけて積み上げてきた取り組みというのが、この活動の本質的なすごさです。

2026年の旧正月イベントは、スランゴール州コタ・ダマンサラ(Kota Damansara)にあるマクドナルドのドライブスルー店舗を会場に開催されました。参加したのは、クアラルンプールのBodhi Homecareとクポン(Kepong)の老引家老人院(Lao Yin Kah Old Folk’s Home)の高齢者たち。舞獅(ライオンダンス)、捞生(ロウサン)、お祝い料理の食事会、そして交流セッションが催され、会場は笑い声で包まれたといいます。

「捞生(ロウサン)」って何?

日本ではほとんど知られていない捞生(ロウサン/Yusheng)は、マレーシアの中華系コミュニティが旧正月に欠かせない縁起料理です。生魚、大根、にんじん、ピーナッツ、梅ソースなどをテーブル中央に盛りつけ、全員で長い箸を使って「高く高く混ぜ合わせる」儀式が特徴。混ぜる高さが高いほど繁栄が訪れると言われており、日本でいうならお正月に全員で鏡餅を割る「鏡開き」に近い、共同参加型の縁起ごとです。

ただ食べるだけでなく、「繁栄しますように!」と声を上げながら賑やかに混ぜる。この能動的な参加スタイルが、高齢者の方々にとっても特別な体験になっているようです。

日本とマレーシアのファストフードCSRの違い

日本のマクドナルドも「ドナルド・マクドナルド・ハウス」など福祉活動を行っていますが、旧正月という文化的なタイミングに合わせて高齢者施設を継続訪問するスタイルは、マレーシア独自の取り組みです。

項目 マレーシアのマック 日本のマック
主な福祉活動 高齢者施設訪問(旧正月) 小児医療支援(ドナルドハウス)
文化的イベント連動 あり(旧正月・民族行事) 比較的少ない
訪問施設数 累計120施設以上

Komuniti@McD — 規模で見るとさらに驚く

この活動を支える公式プログラムがKomuniti@McD(コムニティ・アット・マック)です。2017年のスタート以来、全国120か所以上の老人ホームを訪問し、毎年1万件を超えるコミュニティケア活動を実施しています。

2026年のイベントでは、マクドナルドは老引家老人院に対してRM3,000(約99,000円)を寄付。日常の運営費・食費・生活用品・介護費用に充てられます。

2026年のキャンペーンテーマは「Prosperity Kembali, Lebih Bererti(繁栄よ戻れ、より意味深く)」。物質的な豊かさだけでなく、人とのつながりに価値を置く姿勢が伝わってきます。

日本人向けメモ

  • マレーシアの旧正月は国民の祝日です。中華系だけでなく、多民族が「ゴンシー・ファッチョイ!(新年おめでとう!)」と声をかけ合う、国全体のお祝いムードになります。
  • 日本では「外食チェーンのCSR」と聞くと企業イメージ戦略に聞こえがちですが、マレーシアでは民族・宗教行事に企業が積極的に参加する文化が根付いており、地域コミュニティとの距離が非常に近いです。
  • 在住者の方は旧正月シーズン(通常1〜2月)にマクドナルドのSNSをフォローしておくと、こうした地域イベントの参加募集情報を入手できることがあります。
  • マレーシアの高齢者施設は日本と比べて数が少なく、家族との同居が一般的。施設入居者は社会的孤立を感じやすい環境にあることから、こうした外部訪問の意義は日本以上に大きいといえます。

写真: You Le / Unsplash

出典: China Press の情報を元に、日本人在住者向けに独自作成した記事です。価格・条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。>

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