マレーシアに来る前、「電気代は日本より安いよ」と聞いていました。
実際に来て最初の請求書を見たとき、正直に思ったのは——「あれ、思ったより安くないな」。
KL都心部のコンドミニアムに住んで1年。ずっと気になっていたので、ちゃんと調べてみました。さらに最近ガソリン価格が急騰しているので、電気代も上がるのでは? という不安も含めてまとめます。
我が家の電気代、7ヶ月分を公開します
まず、実際の請求データです。
| 請求月 | 使用量 | 支払額 | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| 2025年8月 | — | RM389 | 約15,600円 |
| 2025年9月 | 647kWh | RM346 | 約13,900円 |
| 2025年10月 | 644kWh | RM310 | 約12,400円 |
| 2025年11月 | 726kWh | RM329 | 約13,200円 |
| 2025年12月 | 591kWh | RM286 | 約11,500円 |
| 2026年1月 | 459kWh | RM233 | 約9,400円 |
| 2026年2月 | 591kWh | RM308 | 約12,400円 |
※ 1RM ≈ 40.1円(2026年3月27日時点)
月平均は約RM300(約12,000円) です。
日本では1LDKに住んでいて、夏のエアコンを使う時期で月1万円ちょっとでした。マレーシアに来て、広いコンドに住んでいるとはいえ、日本の夏と同じぐらいの金額を毎月払っているのが現実です。
このデータを見て2つ疑問が湧きました:
- 11月: 使用量が726kWhと最多なのに、金額はRM329。9月(647kWh)のRM346より安いのはなぜ?
- 2月: 12月と同じ591kWhなのに、金額がRM22も高い。なぜ?
答えは「AFA(燃料調整費)」にありました。
電気代が読めない原因——毎月変わる「AFA」
2025年7月から、マレーシアの電気料金に「AFA(自動燃料調整)」という仕組みが導入されています。ざっくり言うと、原油やガスの価格が上がれば電気代も上がり、下がれば電気代も下がる——これが毎月反映される仕組みです。
日本にも「燃料費調整額」がありますが、マレーシアのAFAはもっと変動幅が大きい。
11月の請求が使用量最多なのに安かったのは、AFA割引が-RM65もあったから。逆に2月は12月と同じ使用量なのに高かったのは、AFA割引が小さかったから。使った量だけでは電気代が予測できないのが、この新制度のやっかいなところです。
もう一つの落とし穴——「600kWhの壁」
調べていて一番「なるほど」と思ったのがこれです。
月の使用量が600kWhを超えた途端に:
- サービス税8% が全額にかかる(600kWh以下なら免除)
- AFA(燃料調整) の追加料金が発生する可能性(600kWh以下なら免除)
- 省エネ割引 が大幅に縮小
我が家のデータで見ると、12月(591kWh)はRM286、9月(647kWh)はRM346。使用量の差は56kWhしかないのに、金額は約RM60(約2,400円)の差。600kWhを少し超えるだけで、これだけ変わります。
月平均600kWh前後の我が家にとって、この「壁」は毎月ギリギリのラインです。
ガソリン急騰——来月の電気代はどうなる?
ここからが、今一番気になっていることです。
ガソリン価格が3月に入って急騰しています(詳しくは先日の記事で)。原油は1バレル100ドルを突破。マレーシアの電力の80%以上は化石燃料で発電しているので、ガソリンが上がれば電気代にも影響が出ます。
実際、AFAの割引は毎月縮小しています。
| 月 | AFA(割引) | 備考 |
|---|---|---|
| 2025年11月 | -8.91 sen/kWh | 大幅割引の時期 |
| 2026年1月 | -4.99 sen/kWh | 半分に縮小 |
| 2026年3月 | -2.15 sen/kWh | さらに縮小 |
| 2026年4月(予測) | -1.89 sen/kWh | まだ割引だが、ほぼゼロに近づいている |
11月に-8.91senあった割引が、4月には-1.89senまで縮小する予測です。割引が約5分の1に。
我が家(月600kWh)の場合、11月比で月RM40(約1,600円)ぶんの割引がすでに消えています。もしAFAが割引ではなく追加料金(最大+3sen/kWh)に転じたら、11月比で月RM71(約2,800円)の負担増になる計算です。
600kWh以下の家庭はAFA追加料金が免除されていますが、これは今のルール。原油がさらに高騰すれば、このラインが見直される可能性もあります。
1年住んで分かった、電気代との付き合い方
温水器のスイッチが一番大事
マレーシアの温水器はバスルームの外にスイッチがあるんです。日本のように自動でオンオフしてくれません。入浴の15分前にオンにして、終わったらすぐオフ。つけっぱなしにすると月RM50〜80(約2,000〜3,200円)のムダになります。来た当初は知らなかったので、これだけで最初の数ヶ月損していたと思います。
エアコンは「25℃+天井ファン」
最初は22℃に設定していましたが、天井ファンと併用して25℃にするだけで体感は変わらず、電気代は目に見えて下がりました。
「600kWh以下」を毎月意識する
温水器とエアコンの管理で、600kWh以下は十分狙えます。超えるか超えないかで月2,000〜3,000円変わるので、意識する価値はあります。
myTNBアプリで毎月チェック
myTNBアプリで日ごとの使用量が見えます。「今月なんか高いな」と思ったときに、どの日に使いすぎたかすぐ分かるので便利です。AFA(燃料調整)がいくらかもここで確認できます。
アカウント登録には請求書のAccount Numberが必要です。手元にない場合はGmailで「TNB」と検索すると見つかります。
皆さんの電気代、いくらですか?
1年住んでみて分かったのは、マレーシアの電気代は単価は確かに安い(日本の約1/3)けれど、常夏でエアコン必須+オール電化で使用量が多いので、実際の請求額は日本の夏とあまり変わらないということ。
そして、ガソリン価格の急騰で来月以降の電気代がさらに上がる可能性があるのが、今の心配事です。
お住まいの地域やコンドの設備によっても違うと思うので、皆さんのリアルな電気代も聞いてみたいです。月いくらぐらいですか? どんな工夫をされていますか?
出典: TNB公式、JETRO、getsolar.ai、paultan.org の情報を元に、KL在住の筆者の実体験データを交えて独自作成した記事です。料金は2026年3月時点。AFAは毎月変動するため、最新はmyTNBアプリで確認してください。


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